「リニア新幹線のトンネル工事は、南アルプスにとって百害あって一利なし」川勝前知事がリニア工事に反対する市民グループの集会で、計画の見直しを訴えたのに対し、静岡県の鈴木知事は「特にコメントする立場にない」と述べた上で、「しっかり課題を解決してきた」と強調し、国と連携してJR東海の取り組みを監視する考えを示した。
リニア工事の計画見直し求める川勝前知事
静岡工区でのリニア新幹線の着工を認めてこなかった川勝前知事。トンネル工事に反対する市民団体が開いた集会で、川勝前知事から寄せられたメッセージが披露された。前知事は「大規模な掘削は疑いなく国立公園ユネスコ・エコパークの南アルプスを確実に傷つけます。工事を正しいと言えるのか。とても言えません。蛮行と言うべきです」とトンネル工事を痛烈に批判。その上で、「天下の至宝=南アルプスに測り知れない危害を及ぼそうとしています」と述べ、ルートの変更など計画の見直しを求めた。
川勝前知事のメッセージが披露される4日前、鈴木知事は静岡工区の着工を認めることを正式に表明した。そして、川勝前知事の見解について、「特にコメントする立場にない」と前置きした上で、「着工の条件とした3分野28項目の課題を引き継ぎ、JR東海と対話を通じてしっかり解決してきた」と強調した。
不測の事態なら工事中断も
静岡工区の着工に向けて、静岡県とJR東海が18日に自然環境保全協定を締結する。締結式には、大井川流域の市町のトップも出席する予定だ。この協定について、鈴木知事は「不測の事態が生じた場合は工事を止め、原因究明と対応を検討することを明記し、安全安心を確保する」と述べた。何かあれば工事を中断させる文言を盛り込む方針だ。
鈴木知事が「ここからが実は重要な局面」と話す通り、工事が始まれば、南アルプスの自然環境や大井川流域の生活に影響が出ないよう、JR東海の工事や保全措置をしっかり監視して対応していくことが求められている。
(テレビ静岡)

