障がいのある人が日ごろ培った技能を競う「アビリンピック」の宮城県大会が行われました。大会の「ネイル施術」の部門に、脳の病気で、体が不自由になりながらも、ネイリストを目指す男性が初めて出場しました。

7月11日、多賀城市で行われた、「アビリンピックみやぎ2026」。障がいのある人の職業能力を高めることや、雇用の促進などを目的に、毎年、開かれています。
今年は、接客のスキルや清掃の技術など10の競技種目に59人が参加しました。

高橋咲良アナウンサー
「こちらではネイル施術の競技が行われています。衛生面や仕上がりの美しさなどを4人が競います」

「ネイル施術」は2年前に正式種目に採用されました。ネイルのケアやカラーリングといった基本の技術に加えて、アートなどのテクニックを競います。

初めて大会に参加した、佐藤邦彦さん(48)です。
佐藤さんは、9年前、脳の病気が原因で右足が不自由になり、利き手の右手も力が入りづらくなりました。

佐藤邦彦さん
「真っ暗でした。本当に真っ暗で入院中もそうだったが、自分が分からなくなった」

建設業の仕事も続けられなくなった中で、今年1月、通っていた事業所で始まったのが、ネイルの技術を習得できるプログラムでした。「ネイリストで生計を立てたい」と挑戦を決めました。

佐藤邦彦さん
「ネイリストでもう一度生計を立てられるようになれたら。賭けですよね、自分の」

今年5月、仙台市青葉区で開かれたダンスのイベントで、お客さんに初めてネイルを施しました。

ネイリストとして就職することを目指し、月に2回ほど指導を受けながら、自宅でも練習を重ねる中で今回、初めて大会に出場することにしました。

今回のアートのテーマは「自然」。テーマに沿って佐藤さんが考えたデザインを施していきます。佐藤さんを指導するネイリストの千葉さんも様子を見守ります。

「課題2ネイルチップアート競技終了です。作業が途中でも手を止めてください」

完成した作品がこちらです。波や砂浜をイメージしたベースに、貝殻やウミガメなどを添えて、海のさわやかな風景を表現したと言います。

佐藤邦彦さん
Q.練習通りの仕上がり、それとも練習以上の仕上がり?
「以下(笑)。やればやるほどへたくそになっていく…」

心残りはありますが…迎えた結果発表。

「銅賞、佐藤邦彦さん前へお進みください」

結果は「銅賞」。目標だった「金賞」には届きませんでしたが、初出場で入賞を果たしました。

佐藤さんを指導する 千葉照実さん
「おめでとう!入賞して良かったじゃん。本当に良かったじゃん。」
佐藤邦彦さん
「まさかと思いました」
佐藤さんを指導する 千葉照実さん
「始めてから半年弱でここまで来られた」

佐藤邦彦さん
Q.結果銅賞でしたけど今のお気持ちは?
「悔しいですね、戻れるんだったらあの時間に戻りたい。みんなすごい。自分は3Dで作ったが、皆さんアートでやってすごくきれいなの作っているので勉強になります。写真撮らせてもらって真似しようかなと」

大会に出たことで多くの刺激をうけた佐藤さん。「ネイリストとして働く」という夢に向かいこれからも歩んでいきます。

佐藤邦彦さん
「技術をつけて一般の方々との大会で優勝目指したい。夢だけは大きく語りたいなと(笑)」

仙台放送
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