一枚の写真から街を再発見する「兵動大樹の今昔さんぽ」。

今回の舞台は、大阪市中央区大手前にある難波宮跡公園です。

振り返れば大阪城が見えるという最高のロケーションにある難波宮跡は、大化の改新の舞台にもなった古代の「難波宮」の遺構が残る国の指定史跡です。

公園には13の商業施設「なノにわ」があり、カフェやベーカリー、さらには納豆専門店まで並ぶ人気の憩いスポットになっています。

そこで兵動さんに渡されたのは1956年(昭和31年)に大阪で撮影された1枚の古い写真。写っているのは立派な和風建築と、その前を通る道路です。

【兵動大樹さん】「うーん、何の写真や?お金持ちのお宅なのか、何かの施設なのか…路面電車が通ってたようにも見える。ヒントすくな…」

写真の場所は見つかるのでしょうか?

■聞き込みは大苦戦!

不安を抱えながらも、公園で聞き込み開始です!

公園でまず出会ったのは、犬の散歩中のご家族。

かわいい犬とじゃれ合いながら写真を見てもらうと、「旅館?」「学校?」と様々な推測が飛び出しますが、決定打はありません。

続いて声をかけたのは、爽やかな新婚カップル。写真を見せると、まさかの提案が飛び出します。

【男性】「写真撮って、ChatGPTに聞いたら分かるんちゃう」

【兵動大樹さん】「そんなんしたら、もうこのコーナー終わってまうわ!」

笑いは取れましたが、手がかりはゼロ。
公園での聞き込みに限界を感じた兵動さんは、古い建物が残る南のエリアへ向かうことにします。

■豊臣秀頼公ゆかりの神社「玉造稲荷神社」

手掛かりを求めてたどり着いたのは、玉造稲荷神社です。

玉造稲荷神社は商売繁盛や良縁のご利益があり、豊臣秀吉と淀君の息子・豊臣秀頼公ゆかりの神社として知られています。

【兵動大樹さん】「鳥居がすごく低いですね」

阪神大震災で被害を受けた豊臣家ゆかりの鳥居が、上部と下部に分かれて保存されているという変わった風景も見られました。

そしてここで大きな手がかりが!

路面電車が走っていたのは「上町筋の方」だという情報を得たのです。

上町筋はかつて大阪城南側の馬場町から上本町まで市電が走っていた通り。
写真に写る道路がまさにその線路跡かもしれないという希望を胸に、上町方面へ向かいます。

■ 動物ビスケットが導いた奇跡の一瞬!

手掛かりが得られず、兵動さんにも焦りが見えてきました。
そんなとき、上町筋沿いで立ち寄ったのは、戦後すぐから70年以上続く菓子店「稲葉商店」。

店先に並ぶ懐かしい「どうぶつビス」に兵動さんの目が輝きます。

【兵動大樹さん】「うわ、うまい!これこれ!これです」

ひとしきり懐かしさに浸ったあと、ダメ元で写真を見せると…。

【店主】「これは大槻能楽堂です」

【兵動大樹さん】「はやっ!出るとき早いて!」

なんと一瞬で答えが判明! 女性は写真の建物の斜め向かいに住んでいたというのです。建物の前を市電が走っていたことも間違いないそうです。

【兵動大樹さん】「分かるとき、こんなにすぐ分かるの?動物のクッキーがなんか引き合わしてくれてるんですよ」

■ 戦火を免れた「能舞台」と世界最古の舞台芸術

建て替えられた大槻能楽堂を訪ねると、能楽師の大槻裕一さん(29)が迎えてくれました。

人間国宝・大槻文蔵さんの後継者で、なんと2歳からこの舞台に立っているという方です。

1935年に創建された大槻能楽堂の能舞台は、第二次世界大戦の戦火を免れた大阪市内唯一の総檜造りです。

建物は1983年に建て替えられましたが、この舞台だけは当時のまま残されています。

【大槻裕一さん】「ずっと途絶えずに室町時代から今もやっているのは、能が世界最古の芸能です」

■能独自の演出に兵動さんも驚き

世界最古の能の舞台には客席と一体になるための効果など独自の工夫がされています。

橋掛り(花道)には遠近法が使われ、3本の松が奥に行くほど小さくなっています。

舞台前の白い石は、かつて照明がなかった時代に太陽光を反射させて舞台を照らす「レフ板」の役割を果たしていたのだとか。

能面は無表情とよく言われますが、少しの角度で表情が変わるのだといいます。

兵動さんもつけてみると…。

【兵動大樹さん】「すご!目は1個しか見えない。鼻は開いてるから下は見えるけど、まっすぐ歩けない」

最近では体験プログラムも実施されており、実際に能面をつけて舞台に上がることもできます。

■「能は興行ではない」

ちなみに、当時の写真に能楽堂の看板が見当たらなかった理由について、大槻さんはこう教えてくれました。

【大槻裕一さん(29)】「(能は)興行ではなくて、大槻家(能の家)が主催をして公演をする。当時も曾祖父が住んでいました。お家の中に能舞台を持つのが誇りといいますか」

【兵動大樹さん】「立派に見えるから『劇場』だと思うけど、大槻さん宅にお邪魔してる感覚なんや。でかすぎひん?大槻さん家…」

今回は1956年に撮影された大槻能楽堂の写真をきっかけに、大阪の街を歩きながら、世界最古の舞台芸術「能」の奥深い魅力に触れることができました。

難波宮跡から玉造稲荷神社、そして大槻能楽堂へ。
大阪の歴史は、何気ない街角に息づいています。

【兵動大樹さん】「能の世界が分かって、ほんま楽しかったですね。ほんまに見に来よう思ってます」

(関西テレビ「newsランナー 兵動大樹の今昔さんぽ」2026年7月3日放送)

関西テレビ
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