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プレスリリース配信元:花王株式会社(ニュースリリース)

角層が整うと、肌が本来の健やかな状態に向かう可能性

花王株式会社(社長・長谷部佳宏)スキンビューティ第1研究所は、角層状態の変化に伴う肌内部の変化を皮脂RNA*¹の発現状態により確認しました。その結果、角層状態が整うと、肌表面のバリア機能に関わるRNAだけでなく、肌内部でさまざまな機能に関わるRNAの発現量が変化することが示されました。これは、角層状態の改善により、肌全体が本来の機能を発揮できる方向に変わる可能性を示す結果と考えます。



本研究成果の一部は、第51回日本香粧品学会学術大会(2026年6月25、26日・東京都)にて発表しました。
*1 2019年6月4日 花王ニュースリリース 
皮脂中に人のRNAが存在することを発見 独自の解析技術「RNA Monitoring(RNAモニタリング)」を開発
関連論文 Commun. Biol.5, 215 (2022). Non-invasive human skin transcriptome analysis using mRNA in skin surface lipids.

背景

肌の最外層にある角層は、外的な刺激物質からの防御や、肌からの水分蒸散の抑制といったバリア機能を担っています。花王はこれまで、角層状態を良好に保つことが美しい肌につながるという思想から、さまざまなアプローチで角層良質化技術の開発を進めてきました。一方で、角層の状態が変化したときに肌内部で実際に何が起きるのかについては、生きているヒトの肌で評価することが難しく、十分には把握されていませんでした。
花王が2019年に構築した皮脂RNAモニタリング技術*¹は、顔の皮脂に含まれるRNAから、肌を傷つけることなく、肌や身体の今の状態を精緻に解析することが可能です。そこで今回、この方法を用いて角層状態の変化に伴うRNAの発現状態を精査することで、肌内部の変化を捉えることに挑戦しました。

角層状態が整うことで、皮脂RNAの発現が変化

花王は、乾燥と赤み悩みのある30~50代の日本人女性20名を対象に、肌の水分蒸散を長時間抑制するケアを継続して行ってもらい、角層状態の変化を調べました。4週間後、対象者の角層水分量が向上したことから、ケアの前後で角層状態が良好になったと判断し、この変化に伴う皮脂RNAの発現状態について網羅的な解析を行いました。
DEGs解析*²の結果、200種類以上のRNAで発現が増加し、150種類以上のRNAで発現減少が認められました(図1)。このことから、角層状態の変化に伴い、肌内部で広範な変化が起きていることを、生きているヒトの肌で捉えることができました。
*2 遺伝子の発現量を比較し、有意に変化した遺伝子を抽出して解析する手法





角層良質化に伴い変化した皮脂RNAの意味

さらに詳細な解析を進めると、発現が増加したRNAは、細胞の働きを調節したり、外部からの刺激や環境の変化に対応するために重要なRNA群*³でした。一方、表皮形成、脂質代謝などバリア機能に関連するRNAの発現は減少する傾向が認められました。この結果は角層が整うことによる効果の一例ではあるものの、花王は「角層状態が良好になったことに伴い、肌のバリアを構築しようとする過剰な働きが抑えられ、肌本来の健やかさを取り戻す方向になった」と解釈しています。
*3 キナーゼ活性調節、RNAスプライシング、サイトカインへの応答 

まとめ

本研究では、角層状態の改善に伴う肌内部の変化を皮脂RNAモニタリング技術により解析し、角層状態が整うと、肌内部で角層に関わるRNAだけでなくさまざまな機能を発揮するRNAがダイナミックに変化することを、生きているヒトの肌そのもので捉えました。これは、角層良質化が肌表面だけでなく肌内部の機能にも影響する可能性を示す知見です。
花王は、角層の健常性に着目したさまざまな技術開発を進めています。今後もこれらの研究を深化させることで、健やかな肌の維持につながる知見の創出に貢献していきます。

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