8年前、2人が殺害された奥田交番襲撃事件で、強盗殺人の罪などに問われた男の「差し戻し審」が10月に開かれることになりました。
これを受け、遺族は6日にコメントを発表し、「主人の代わりに裁判を最後まで見届ける」としています。
元自衛官の島津慧大被告(29)は2018年6月、富山市の奥田交番に押し入り、持っていたナイフで交番にいた稲泉健一警部補(当時46)を刺殺。
奪った拳銃で、近くの奥田小学校で警備していた中村信一さん(当時68)を射殺したとされています。
2021年の一審で検察は、「強盗殺人罪」の成立を訴え、死刑を求刑しましたが、富山地方裁判所は「殺人罪」と「窃盗罪」を適用し、「無期懲役」の判決を言い渡しました。
しかし、控訴審で、名古屋高等裁判所金沢支部は「一審判決は事実誤認で、強盗殺人罪の成立を前提に量刑を判断するべき」として審理を富山地裁に差し戻し、最高裁もこの判断を支持しました。
3日、富山地裁はやり直しの裁判を今年10月5日から17回行い、12月8日に判決を言い渡す予定だと発表しました。
亡くなった警備員、中村信一さんの妻は、6日にコメントを発表し、「主人の代わりに裁判を最後まで見届ける」としたうえで、一審で黙秘を貫いた島津被告に対し、「せめて名前だけでも法廷で話してほしい」としています。
10月から始まるやり直しの裁判の争点などについて事件を取材している齋藤記者です。
Q.まずは裁判のスケジュールはどうなりますか?
*齋藤記者
3日富山地裁から大まかな流れが発表されました。差し戻し審の初公判は10月5日。
その後およそ1カ月間かけて13回にわたり、証拠調べを行います。そして11月12日に論告、つまり検察側が求刑し、翌日13日に弁護側の意見陳述があります。そして12月8日に判決が言い渡される予定です。
差し戻し審は合わせて17回、裁判員裁判で行われます。
Q.裁判の争点、注目すべきとところは何ですか。
*齋藤記者
当然、「量刑」がどうなるかが注目されます。これを考えるにおいて2つポイントがあります。
まずは「強盗殺人罪」が成立するかです。前回2021年の一審では、「強盗殺人罪」は成立せず、「殺人罪」と「窃盗罪」にとどまると判断しました。
しかし、2審では、「強盗殺人罪の成立を前提すべき」との判断で、審理を差し戻しました。
強盗殺人罪が成立するとなれば、一審の「無期懲役」の判決よりも重い判決、検察が一審で求めた「死刑」の可能性もあります。
その量刑を決めるための最大の争点となるのが、島津被告が抱える発達障害・自閉症スペクトラムが事件にどの程度影響したかです。検察と弁護側が提出する証拠が注目されます。
また、島津被告は一審では黙秘を貫き、二審には出廷しませんでした。今回のやり直しの裁判で島津被告はおよそ5年ぶりに姿を見せることになり、事件について何を語るのかも話すのかも注目されます。
事件から8年、長期化する裁判は今年大きな局面を迎えます。
