福岡県議会の議員2人が正副議長の就任に際して、自民党県議団の幹部からの求めに応じて現金計2750万円を手渡したとTNCの取材に対して証言しました。
そのうちの1人、吉松源昭県議は2020年から議長を務めました。
吉松氏との一問一答は以下の通りです(全3本のうちの3本目)。
◇ ◇ ◇
■「手柄は自民党に、他の会派にはやらない」
ーーこれまで議長経験者は口をつぐんできた。
吉松議員(以下、吉松):
想像だが、歴代議長は同じような目にあってきていると思う。それを言えない理由は「自民党を外されるかもしれない、出世から外されるかもしれない」ということかと。だけどそこはやっぱり勇気を持ってほしい。
ーーそれは自民党独自のことか。
吉松:
おそらくそうだろう。民主党や公明党が言っても委員長ポスト与えることもできないし、ましてや議長はない。よその会派にはしばるものがない。おそらく自民党独自のものだろうと思う。
ーー県職員に対して、自民党だからこそ通用していたことはあるか。
吉松:
議案の説明は自民党会派から説明する。大きい順に次が民主県政、公明かな。1人会派は後回し。それは数の倫理が政治の世界の倫理なので悪いとは思わないが、そういう中で情報が自民党より遅くなるし、遅いどころか情報が来ないこともある。
ーー質問の横取りがあったとの一部報道もある。
吉松:
ある。例えば、予算委員会、決算委員会があればまず委員長が、部の課長たちに他会派がどういう質問するか教えろと要請する。すると「こういう質問が出るみたいです」と報告が上がってくる。上がってくると例えば同じ御笠川の質問だとすると、それが自民党も民主党も質問しようとしていたとなると、自民党委員が先に質問できるように順番を決めたりとか。そもそもその質問の作ることもある。「よその会派にだけそういう質問はさせられん」と。自民党の誰かに質問させるということもあった。
■「パーティーで元取れるからいいじゃないか」と
ーー自民党のやりたい放題か。
吉松:
やりたい放題というか「手柄は自民党に、他の会派に手柄はやらない」という雰囲気はあった。
ーー知事や県職員はどうしていたか。
吉松:
断れば左遷される、課長も。
ーー部課長会の問題もそういう構図か。
吉松:
パーティー券購入の問題に関しては、報道があるまで部課長会の存在を知らなかった。知っている自民党幹部もいるかもしれないが。
ーーパーティーに県職員の参加はあったか。
吉松:
記憶があいまい。というのは皆さんはよく「誰が来て誰が来てないか確認するだろう」と言われるが、受付名簿見れば、来てる来てない、(券を)買った買ってないか確認できるんでしょうが、私はあくまで任意で祝おうという人だけ来てくれればいいから確認していない。誰が来てなかったとも知りたくないし。私の場合はそんなにいっぱい来てなかったんじゃないか、名簿上で確認していない。
ーー議長就任祝いの政治資金パーティーは、巻き上げられたカネを埋め戻す会なのか。
吉松:
本来はお祝いの会。一生に1度なれるかなれないかのあくまでもお祝いの会というのが正しい認識だが、要求する側の人の中には「パーティーで元が取れるんだからいいじゃないか」と思っている人はいるかもしれない。
■お車代は「習わしだから」
ーー要求してきた側の文言で覚えていることはあるか。
吉松:
「習わし」ということははっきり覚えている。お車代のときなど「習わしだから」と。
ーー他の400万とか550万のときは。
吉松:
「議会運営に汗をかくという覚悟はあるんだろう」という言い方だったかもしれない。
ーー議長就任後、海外視察に行ったか。
吉松:
議長になってからは行っていない。2020年6月就任、新型コロナが2月。議長になったのは「ステイホーム」と言っていた飛行機も飛んでない時期。議長の間は海外に行っていない。その前の議運委員長の時期には行っていたが基本的には自費、一部は政務活動費で。公費では行っていない。
ーーどこに行ったか。
吉松:
議運の委員長の時は行かないと「やる気がない」と言われかねないので、おそらく全て行った。例えばオーストラリアとか、ハワイ行ったんじゃないか。ホテルは同じホテルで、部屋はそのホテルが1番か2番目に安い(ところ)。(議長などが)スイートに泊まっていたのは全然知らなかった。
ーー視察に何回も行く風潮はどう感じるか。
吉松:
よくよく内容を精査しないといけない。自費なら何回行ってもいいと思うが、公費はその必要性などをよくよく精査しないといけない。
ーー県議会で最も深刻な問題は何か。
吉松:
見えている問題としては、県民の税金が無駄に使われた可能性がある海外視察が一番だ。最近報道されている「ワンヘルスパーク」は1年もやらないで6000万円の税金投じたというのは無駄づかいと言われてもしかたない。ワンヘルスでいえば3億5000万円のモニュメント。300万円くらいで良かったんじゃないかと思うし、ワンヘルスと海外視察は無駄づかいと思われることが目立つ。
ーーこれを機会に改まっていくか。
吉松:
議会でも訴えているが日弁連に基づいた第三者委員会に調べてもらいたい。やましいことがないなら、無駄がなかったかしっかり判断をやってもらうことが大事だ。それを県や県議会が決断できるのか、本当に浄化しようという気があるのかないのか試金石になる。
■「県民の税金が不当な形で使われている」
ーー蔵内さん(現議長)にはどう思っているか。
吉松:
県議団の会長、県連会長と中枢を歩いてこられた。功績も大きい。県のために尽くされたことも多いと思う。近年、海外視察やワンヘルスの問題を見たときにやりすぎというか、税金の使い方や私のような後輩議員に金銭を要求するというような、20年前にあったかはわからないが、私も数年前から知るようになってからはやり過ぎじゃないかなと思う。
ーーどうしてほしいか。
吉松:
改めてほしい。議長選出と言えば、昔はとことん話し合って政策をぶつけ合っていた。それが本来の姿だと思うし、海外視察であれば必要性、税金や公金に負担をかけないように、必要なものは行かなければならないと思うが、みんなで検証するシステムを作ってほしい。
ーー蔵内さんのほかにカネを渡した人については。
吉松:
口を開けば自民党を追い出される可能性もあるかもしれない、追い出されずとも冷遇されるかもしれないという怖さがあって声が上げられないのだろうと思うが、自分たちだけの問題だけじゃなくなっている。県民の税金が不当と思われる形で使われている。だまっている態度は共犯と言われても仕方ない。それぞれに判断してほしい。
ーー支援者からはどんな声があるか。
吉松:
多くの方から励ましの声をいただいている。それだけ県民が怒っているし私の発信に激励をもらっている。がんばってくれと。それこそ身辺を気をつけてくださいと。県民が不信感を持っているということ、正さなければならないというのが一番大きい。
ーー服部知事に言いたいことは。
吉松:
しっかりしてくれと。海外視察問題でも当初は知事も言われて、議会側への忖度で予算着けたんだろうけどひどい。使いっぱなしに予算を付けたり、ワンヘルスパークも普通だったら作らせていないでしょう。説得までしてやったというのも過剰な忖度だし知事にはしっかりしてもらわないと困る。知事は責任を持って覚悟持って行ってもらわないと。少なくとも私の目には要求されたものを全てやっている。(歴代の)小川さん(前知事)や麻生渡さん(元知事)はそこまではできないと言っていた節がある。服部知事には毅然とした態度を取ってほしい。
ーー吉松氏自身が反省すべき点はあるか。
吉松:
知らなかったとはいえこんなに税金が使われていた。申し訳ないがマスメディアが調査し金額を出されるまで知らなかった。予算審議していた者の1人として申し訳ない。だからこそ無駄遣いがあるのかないのか、あれば返金することが必要なんだと思う。
(おわり)
