福岡県議会の議員2人が正副議長の就任に際して、自民党県議団の幹部からの求めに応じて現金計2750万円を手渡したとTNCの取材に対して証言しました。
そのうちの1人、吉松源昭県議は2020年から議長を務めました。
吉松氏との一問一答は以下の通りです(全3本のうちの1本目)。
◇ ◇ ◇
■「カツアゲにあったような話」
ーーなぜこのタイミングで話そうと思ったか。
吉松県議(以下、吉松):
1つは今回の視察の問題あるいはパーティー券の問題、第三者委員会を作って実態調査して無駄な税金があったら返すべきとやっているが、一向に知事も設置しようとしない。議会も。PT(プロジェクトチーム)も過去のことは検証しない姿勢でいる。このままでは、県も議会も過去についてはうやむやでいこうとしている状況の中で、私が今回、議長選の金銭について(話そう)となったのは、私も結局カツアゲされたようなものだと思っている。
「議長になりたいからよろしく」と言ったわけでなく、「出世コースから外れたくなかったら払え」という雰囲気でカツアゲされた。パーティー券問題も県職員がカツアゲされた、県民の税金までカツアゲされたんだと。調べれば数千、数億の無駄遣いがあるだろう。税金にも手をつけた。やめさせなければならない。
そうは言っても、自民党を追い出されるかもしれない、出世できないかもと思えば断れたかもしれないけれど、部課長会も断ろうと思ったら断れただろう。県民の税金は断れない。強制的に取られた中でこれを止められるのは我々議員しかない。源流を明らかにして構造を絶たなければならないと思い、話す気になった。
ーー吉松氏自身にもいろんな声が寄せられると思うが、それでも話すのはなぜか。
吉松:
これまで数億円の税金が搾取され、今後もたぶん反省しない。額は減ってもこのようなことは続くだろう。止めなくてはならない。私以外に今後も言える人はいないだろうと思った。
ーーためらいはなかったか。
吉松:
なかったと言えばうそになる。第三者委員会で検証して税金返そうとなればわざわざ言わなかったと思う。
ーーお金を渡したということなら、一緒ではないか。
吉松:
一緒なんですかね、私は被害にあったと思っている。皆さんがどう思うか。こちらから持って行って「これで私を議長にしてくれ」と言ったことはない。あくまで飲み代を払えとかゴルフ代を払えと言うことを繰り返し要求された。カツアゲにあったような話だと思っている。
■「汗をかくつもりはあるんだろう」
ーー具体的にはどのタイミングで何に合わせて金銭の要求があったのか。
吉松:
われわれ自民党県議団の中には「汗をかく」という言葉がある。2期生くらいから都度都度に「汗をかかないと、自民党会派のために…」という言い方をされる。
具体的に何かというと、2期生であれば委員長になって懇親会などある。他会派を含めた懇親会もあれば県職員を含めたものもある。その食事代とか。会費制でやるが2次会でそのときの費用は委員長が払う習わしがある。10万円20万円のときもあるし、そういう文化が脈々とある。ことあるごとに「会派のために汗をかかないと」と言われ。請求書が回ってくるということが文化としてある。
2018年12月だったと思うが、自民党(の県議団)幹部から「これから議会運営に汗をかくつもりはあるんだろう」と。「あります」と。他会派とゴルフがあるけれど君は来なくていいけど、懇親ゴルフの費用をもってくれという話がある。2期生のころからやってきているので、いつものことだなと理解していたが、額が多く550万円と。「うわっ」と思ったが、先々この県政の中でと思うと払っておかないと外され出世コースから外される。最悪、自民党から外されることもある。
■行かない懇親ゴルフの費用に550万円
ーー550万円は高くないか。
吉松:
1カ月くらいやるんじゃないかと思った、冗談だが。だからある意味、今回の海外視察の構造と一緒。「そんなにかかるのか」というようなこういうところから。
ーーゴルフ場の場所はどこか。
吉松:
覚えていない、行ってないから。
ーー何人分の費用か。
吉松:
「他会派と」と言う話だから、頭の中では10人とか、十数人かと(思っていた)。明示はなかった。
ーー領収書は。
吉松:
ない。
ーーどういう形で。
吉松:
現金で。
ーーどこでどうやって渡したのか。
吉松:
議会棟の応接室だったと思う。自民党の。
ーー現金をそのままか。
吉松:
袋くらいは入ってますよ。
ーー550万円はすぐに用意できたのか。
吉松:
なんとか用意できた。通帳には入っていた。
ーー1回きりか。
吉松:
それから半年後くらいに「1000万円」とまた言われて、あとは車代とか言って125万とか。あるいはまたゴルフ代と言って、これは宿泊含んでだが江藤(秀之)議員と折半して200万円ずつ。
ーー合計ではいくらになるか。
吉松:
私がちょうど2000万くらい。実際にはそれ以外にも小さな飯代や飲み代というのはあったと思うので2000万超えたと思う。
■「拒否すれば党から外される恐怖感」
ーーどうやって準備したのか。
吉松:
1000万円はなんとか手持ちで。あと1000万は友人から借た。
ーー借りた分の返済は。
吉松:
1年後に返済した。
ーー要求が度重なることに違和感はなかったか。
吉松:
あったが、それを拒否すれば、外されると(思った)。党の中から外されたり、最悪、党から外される恐怖感があった。
ーー他の人もやってきたのか。
吉松:
そう思う。私だけじゃないと思う。
ーーどれくらい前からか。
吉松:
私が先輩から聞いている話では、少なくとも平成15年以前にはそんなことはなかったと。三木先生(議員)という先生が重鎮でいらした時代は聞いた話だが、議長候補者がホテルや旅館に缶詰になって候補者同士が政策の話をするんだと。あくまでも話し合いでやっていたと。三木先生が辞められたのが平成15年で、その後、議員会長になったのが蔵内(勇夫)先生(議員)。それ以降かは知らないが、平成15年より前はなかったと聞いていた。
ーー他の議員がカネを渡したという話は。
吉松:
噂はあった。
ーー具体的には。
吉松:
それはいろいろ。噂なので確定的なことかはわからないが1000万だとか2000万とか3000万とか、そこは一定しない。
ーー自民党の中ではそういう文化が続いているのか。
吉松:
おそらくですね。
「【一問一答】1人50万円「お車代」菓子折りに入れて…議長経験者が証言(2)「汗かくつもりはあるのか」自民幹部に問われ 福岡県議会」につづく。
