このグループの猫さんは、食べない食事を「食べ物」と認識していない様子です。少なくとも、おいしく食べられるものとは認識していないのでしょう。

タイ料理で代表的なパクチーや台湾でよく使われる調味料の八角など、日本人でも海外の調味料が苦手な人っていたりしますよね。逆に、海外では納豆がゲテモノ扱いです。このように、人でも食べ慣れていないものは受け付けなかったりします。猫も同じで、ほかの猫がどんなにおいしく食べていても、食べなれた味でないものは受け付けないのです。

本来は目新しい食べ物が大好き

しかし、これは肉食動物にとっては異常なことなんです。実は猫に限らず、ほとんどの肉食動物は目新しい食べ物が大好き。これは、野生下では獲物に遭遇する確率が少ないためで、見たことない動物でも、見つけた獲物はなんでも食べる必要があったからなんです。

中学校の理科に出てきた「生態ピラミッド」を覚えていますか?植物など生態系の下部ほど数が多くて捕食されやすく、頂点に行くほど肉食性が強くなって獲物になる動物が少なくなっていきます。

(イメージ)
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猫は生態系の頂点に君臨する肉食動物ですので、獲物とするネズミやウサギなどの小型哺乳類は猫よりも豊富にいるとはいえ、ピラミッド下部の植物よりは格段に少ないんです。

生きるために十分なカロリーを補うためには1日10回も狩りをしなければならない体ですから、味が嫌いだから獲るのをやめよう…なんてわがまま言えなかったのです。

なぜ新しいモノ嫌いになるの?

では、なぜ人と暮らしている猫さんは新しいモノ嫌いになるのでしょうか?実は、育ててくれたお母さんが最も大きな影響を及ぼしているんです。

お母さんから子猫へのおいしさ教育は妊娠中から始まっています。胎児はお母さんのおなかの中にたまる羊水を介して、お母さんが食べた物の味を経験します。人では、お母さんがおいしいものを食べると胎児がにんまり微笑み、苦いものを食べるとしかめっ面をするそうです。猫でも妊娠期にお母さんが経験した味を子猫が好むようになることが研究で報告されています。

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けれど、猫の味の好みに最も強い影響を与えるのが「社会化期」です。教科書的には離乳期ごろ(生後2~9週齢ごろ)に社会化期があるとされています。この時期に味や食感、形、におい、食材など…様々な食べ物を経験することで、食べられるもの、おいしいものを学んでいきます。社会化期で学んだことは生涯の記憶に残ることから、専門的には「初頭効果」なんて呼んだりします。この食経験は一生の好みを決定してしまいます。後から修正することは非常に難しいため、猫さんの一生を決める大事な時期なのです。