私たちの生活に欠かせないタクシーだが、県内でタクシー会社の破産・廃業が相次いでいる。大切な交通網を維持するために必要なことを取材した。
山形市の「相互タクシー」が2026年4月末に事業を停止し、すでに破産申請の準備に入っている。
過去には年商3億円を売り上げた年もあったというが、近年は低迷。
2025年は5800万円の最終赤字で、負債額は2025年3月末の時点で4800万円となっている。
県内で破産・廃業するタクシー会社が増加していて、県ハイヤー協会によると、登録している事業者数は2年間で71社から63社に(8社減)。
登録ドライバーも2020年の1609人に対し、5月末時点で1344人と約16%減っている。
県ハイヤー協会の石川会長は、こうした状況に陥るきっかけとなった出来事に「新型コロナ」を挙げる。
(県ハイヤー協会・石川康夫会長)
「コロナの3年間は本当に地獄、売上は2~3割に。背負ったものは大きかった。返済
もあるしドライバーの登録人数もぐっと減った」
こうした県内のタクシー業界が置かれた状況に街の人は…。
(街の人)
「タクシーの運転手が『タクシーが余っていて従業員が足りない』と言っていた」
「コロナ禍からタクシーがあまり並んでいない。前は30台ほどいたが、今は4~5台ほど。来なくて困ったことがある」
「交通機関が止まり、タクシーにしか頼れない時に心配な部分はある」
必要な時にタクシーに乗れなくなるかもしれないと危機感を募らせる人もいた。
鉄道・バスなどの交通網が都市部と比べ発達しているとは言えない県内。
車を持たない人にとって、生命線と言えるのがタクシーでの移動だが…。
(県ハイヤー協会・石川康夫会長)
「1番は高齢者の足がなくなるということ。買い物に使う人はけっこういるし、通院もある」
タクシー会社にはそれぞれ法律で定められた営業エリアがある。
しかしタクシー会社が1社しかないエリアも多く、廃業してしまうと地域の人はタクシーを利用できなくなってしまう。
迎車を頼まれればエリアの外でも活動できるが、遠くに迎えに行った分、それに見合った売上が必要になるため、近隣市町村のタクシー会社がカバーするにも限界がある。
(県ハイヤー協会・石川康夫会長)
「現在頑張っているタクシー会社がカバーしているが、今まで通り提供できなくなる。時間がかかっても待ってもらうなど」
石川会長はこうした状況を打開するために、「ドライバーの数」が必要と強調する。
県内では3年前と2026年、料金改定を行ったことで待遇が改善され新規の採用が増えた。
ここをチャンスととらえ、新規のドライバーをつなぎ止めること。
そして稼働する数を増やすことが、県内の「タクシー網」の維持につながるとしている。
(県ハイヤー協会・石川康夫会長)
「労働条件をふまえながら稼働台数を増やしていきたい。我々の仕事は皆さんの足となること、それが我々の使命」
石川会長は、企業努力はすでに限界を迎えているとしている。
タクシー会社の経営を維持し、地域の足を守り続けていくためには、市町村や県など行政による後押しが必要だと話していた。
