2018年に警察官と警備員の2人が殺害された奥田交番襲撃事件から26日で8年です。
殺害された警備員・中村信一さんの妻は、長期化する裁判を抱えながら夫の死と向き合い続けています。
*亡くなった中村さんの妻
「主人に対して思いを寄せる日。毎年いろんなことを思い出す日。長いようでもあり、短いようでもあり。もう8年も経ったんだなという思い」
事件があったのは2018年6月26日の午後。富山市の奥田交番に元自衛官の島津慧大被告(29)が押し入り、持っていたナイフで、交番にいた稲泉健一警部補(当時46)を刺殺。
奪った拳銃で近くの奥田小学校で警備していた中村信一さん(当時68)を射殺しました。
*亡くなった中村さんの妻
「生前はそんなに感じたことはなかったんですけど、いなくなったらかけがえのない存在でしたね。今でもそうですけど」
2021年に開かれた第一審。
*裁判長
「被告人名前は?」
*島津被告
「…」
*裁判長
「名前は何と言いますか?」
*島津被告
「…」
島津被告は黙秘を貫きました。
検察は「強盗殺人罪」の成立を訴え、死刑を求刑。
これに、富山地方裁判所は「拳銃を奪う意思が殺害後に生じた可能性を排斥できない」とし、「強盗殺人」ではなく、「殺人と窃盗罪」を適用しました。判決は「無期懲役」でした。
しかし、その後の控訴審では事実誤認があるとして一審判決を破棄。
強盗殺人罪の成立を前提に、審理しなおすよう、富山地裁に差し戻しました。
富山地裁でのやり直しの裁判は現在、検察、弁護側が争点などについて協議する手続きが非公開で続いていて、日程はまだ決まっていません。
*亡くなった中村さんの妻
「島津被告には名前だけでもしゃべってほしい。憎しみがなくなったわけでもなくて、罪の償い方として死刑ではなくて、そんな簡単に死んでもらったら困る。私は死ぬまで苦しんでいく。彼にもそれなりに苦しんでもらわないと。ちゃんと罪と向き合って、事件と向き合って、苦しんで後悔して最終的には心から謝罪してほしい。彼が死刑になったって主人は戻ってこない」
また中村さんの妻が、警察の初動対応の不備を訴える民事裁判は、現在高等裁判所で審理が続いています。
*亡くなった中村さんの妻
「どんな結果であろうと受け入れるつもり。裁判自体は見届けないと。主人の代わりですので」
長期化する2つの裁判。中村さんの妻は、体の衰えを感じながら、裁判と向き合い続けています。
*亡くなった中村さんの妻
「絶対風化させてはいけない事件。私が生きてる間は、皆さんの記憶にとどめてほしい」
