豊かな香りと甘みが特徴の静岡特産のクラウンメロン。最高級のブランドメロンとして知られていますが、どうしても一定数が廃棄されてしまうのが悩みの種でした。ただ、地元の有志によって絶品スイーツに生まれ変わり注目を集めています。
静岡県袋井市を中心に、県西部で栽培されているクラウンメロン。
“クラウン”という名が示す通り品質の高さが自慢で、現在は国内のみならず、アメリカや台湾など10を超える国と地域に輸出されていて、5月には高市総理がオーストラリアのアルバニージー首相に贈呈したことでも話題となりました。
高市総理:
1つのつるに1個しかできない超高級メロン
オーストラリア・アルバニージー首相:
独り占めするのではなく、みんなにも分けた方がいいかな?
高市総理:
ジョディ(夫人)と2人で食べて
ただ、誕生から100年あまりの歴史の中で高級メロンとして確かな地位を確立する一方、長年にわたり課題を抱えていることも事実です。
メロー静岡・永田新さん:
入荷した数の100%をおいしい状態でお客さんに届けられていない。廃棄が発生してしまうことが非常に大きな経営課題
クラウンメロン農家・高橋正行さん:
これなんかは良い。(Q.どの辺りが?)縦と横のネット(網目)がはっきりしているので、見た時にメロンらしい
袋井市でクラウンメロンを育てている高橋正行さん。
過去に品評会で上位に入賞したこともある農家で、日々、苗や土、気候などと向き合いながら品質の良いメロンの生産を追い求めています。
クラウンメロン農家・高橋正行さん:
クラウンメロンはおいしいのが当たり前。見た目やネットなどにも気を遣っているので、見て楽しんで、食べて楽しめるのがクラウンメロンの特徴。温度と水が大事だと教わってきたので、そこは常に考えながら育てている
微妙な湿度や気圧の変化が出来を左右すると言われるクラウンメロンは、養分を集中させて糖度を高めるため、1本の木につき1玉だけを厳選して育てる方法をとっていて、栽培にあたっては手間がかかるのはもちろんのこと、熟練の技が求められます。
クラウンメロン農家・高橋正行さん:
笑顔で食べてもらえるのが僕たち農家の喜び。丹精込めたメロンなので、すべてのメロンがみなさんの手元に行き、食べてもらうことが僕たちのゴール
一方で…
メロー静岡・永田新さん:
こちらがもう食べ頃になってしまったメロン。今の状態であれば、まだ食べてもらうことができるが、あと1日~2日経ってしまうと、表面から傷みが出てくる
クラウンメロンは、収穫後1週間から10日ほどで食べ頃を迎えることから、多数のフードロスが生じてしまっていることも事実です。
メロー静岡・永田新さん:
メロンは、入荷してから3~4日で食べ頃を迎えてしまう、非常にデリケートな商品で、クラウンメロンの高級感あるブランドイメージを保つためには、品質を担保した状態でしか販売できないのが一番難しいところ。残念ながら1日数玉では済まないくらい(廃棄が)出てしまっているのが現状
そこで、完熟したメロンを無駄にすることなくおいしさの詰まったスイーツが作れないか相談した先が、浜松市にある和菓子製造の老舗「ふる里」です。
ふる里・村松光美 営業課長:
クラウンメロンが持っている滑らかでトロっとした食感は、葛アイスで再現しやすいと考え、絶対おいしいものができると(思った)
ふる里では、すでにピューレ状にしたフルーツを使った葛アイスを手がけていて、この技術を応用してクラウンメロンの香りや甘さを再現するための検討が始まりました。
ふる里・製造担当
井伊翼月さん:
メロンの味は他のフルーツに比べやさしい味なので、やさしい味を邪魔しないよう、砂糖の分量など調整を工夫した
そして試行錯誤を重ねて完成したのが、プレミアム葛バー“クラウンメロン”。
すでに5月から販売が始まっています。
大村秀行 記者:
メロンの香りがしっかりしますね。そしてこのもっちりとした食感がとても上品に感じます。
葛を使用することで溶けにくく、小さな子供から高齢者まで楽しめる和スイーツに仕上がりました。
ふる里・村松光美 営業課長:
1本100キロカロリーなので、すごくヘルシーで、もっちり感を強くすることですごく弾力があり、食べ応えがあるので満足感もかなり高いと思う
今回の取り組みを通じて、フードロスの削減はもちろんのこと、静岡が誇る特産品の魅力や価値を改めて多くの人に知ってもらうことに期待が寄せられています。
