世界が称賛する「ジャパニーズウイスキー」。
こだわりがつまった、ものづくりの現場を取材しました。

日本でウイスキーの製造が始まって約100年。
その高い品質を支えているのはニッポンが誇る匠の技です。

一切の妥協を許さないあくなき探究心。
琥珀(こはく)色の美酒に込められたニッポンのものづくりの魂とは。

京都と大阪の境にあるサントリー山崎蒸溜所。

創業1923年。
ここで作られているのがウイスキー「山崎」です。

2025年に世界的な酒類のコンペティション「ISC2025」で「山崎18年」が全部門で最高賞を受賞。
この日も山崎蒸溜所には日本のみならず、世界各国から多くの人が見学に訪れていました。

サントリー主席ブレンダー・輿石太さん。
「山崎」や「響」「白州」など、多くの看板銘柄を手掛け、2025年に厚生労働省の「現代の名工」にも選ばれました。

サントリー主席ブレンダー・輿石太さん:
ブレンダーの仕事は大きく三つあると思っています。まずは原酒の官能(評価)。もう一つは響とか角のレシピを決めるブレンド作業。もう一つが原酒のマネジメント。将来どうやって原酒を使うかというマネジメントです。

サントリーが国内で保有するウイスキーの原酒のたるは約160万。

原料や製法は同じ場合でも、熟成を重ねていくうちにウイスキーはたるごとに独特の味わいや風味が生まれます。

ブレンダーはその研ぎ澄まされた感覚で原酒を判別・評価して、どの銘柄のウイスキーに使うかなどを決定。

長年培われた輿石さんの感覚は、“プールに一滴”単位の違いも分かるほどだといいます。

サントリー主席ブレンダー・輿石太さん:
僕はコーヒーが本当に大好きなんですけど(平日は)コーヒーを飲まないとか、食事も制限していますね。テイスティングをして間違った判断はできないですから、平日はしっかりと体調管理を気を付けています。

主席ブレンダーとしてのこだわりは…。

サントリー主席ブレンダー・輿石太さん:
僕はブレンドをする時に本当に目標とする品質があった時に、自分の中では手を抜きたくないというところがありまして、本当に細かいところまで見ていくことがあるんですね。実際に一つの中身が仕上がりましたと言った時に、この中身が本当に目標としている中身かどうかを、本当に何回も何回も飲みながら確認するんですよ。(Q. いったん口にした原酒は頭の中に入っている?)だいたい入っている感じがしますね、自分の中では。

熟練の技を次の世代に継承していくことも輿石さんの大きな役目です。

サントリー主席ブレンダー・輿石太さん:
今の僕の仕事はブレンドもしますけれども、やはり継承は絶対にやっていかなければならない。原酒のテイスティングをやりますけど数値化や言語化は嗜好(しこう)品なのでなかなか個人差があって難しい。一緒にテイスティングする、一緒にブレンドしていく、これが一番分かりやすいかなと思います。

ものづくりの魂は着実に次の世代、そして未来へと受け継がれていきます。