外国人観光客の姿も見られます原爆資料館は、3年連続入館者が過去最多を更新していて混雑の緩和が課題となっています。
こうした中、修学旅行などで訪れる小・中学生を対象とした平和学習の「新展示」が計画されていています。
その新展示では新たに、子どもたちと同世代の女学生の様子を詳細に伝えることが明らかになりました。
【石井百恵 記者】
「きょうこれからこちらで開かれる検討会では、ここ資料館東館地下で2年後に新設される予定の子供向けの新展示についてさらに具体的な話し合いが行われます」
集まったのは、被爆者や医師小中学校の校長などの有識者です。
これまで3回あった検討会で出た意見や課題を受け、修正された案が提示されました。
新展示は、「被爆前」「被爆直後」「戦後」の3つに分けられる予定で、今回新たに提案されたのは、県立広島第一高等女学校=「第一県女」の生徒たちを取り上げることです。
原爆投下時、「第一県女」の1年生223人は爆心地から800メートルで建物疎開作業をしていて、全員が亡くなりました。
そのうち9人が生前日記に記していた言葉や被爆直後の衣服、また、それぞれの遺族が戦後に残した証言ビデオなどを展示。
それを見た児童や生徒に、自分と重ね合わせ主体的に考えてもらうきっかけをつくる狙いがあります。
【広島大学大学院 人間社会科学研究科 上手由香 准教授】
「建物疎開の子供たち。具体的な情報をアニメーションで作るとか文字情報・言語情報が結構多い。子どもからしたら実感がこもらない」
【被爆体験証言者 内藤慎吾さん】
「(日記だけにこだわらず)8月6日の建物疎開作業、中学生が8300人のうち6200人が死亡してしまったことも付け加えてほしい」
【広島平和文化センター 豆谷利宏 副館長】
「おっしゃった趣旨のことはしっかりお伝えさせていただきたい」
一方、前回の検討委員会では、悲惨な資料の展示を見学するかどうか、子どもの判断にゆだねることについて議論されていました。
これまで平和文化センターでは、専門家を招き、悲惨な展示の子供への影響を調査。
その結果、一定数配慮が必要だと判断し、トラウマにならないよう慎重に検討を重ねました。
23日は、これまで検討会であった「選択的展示エリア」の注意書きを修正。
「不安を感じる人は、先生に相談」などとし、「平和学習」と心のケアの両立を図ることを目指すとしました。
これに対し、委員からは…。
【広島市立中山小 築地陽子 校長】
「児童の発達段階や心理面にとても丁寧な配慮が盛り込まれたと感じています。悲しみだけじゃなく未来への希望も感じさせられるのはありがたい」
その他、新たに「待機時間の過ごし方を考えることが必要」「ノーベル平和賞を受賞した話も入れてはどうか」など様々な意見が出ました。
検討会は、今年度あと2回開かれる予定で、子ども向けの新展示は、2年後の2028年4月の新設を目指します。
【委員長・広島大学 鈴木由美子 名誉教授】
「うまく進捗しているという風に理解しています。より子供たちの思考とか心に寄り添った展示になっていくようにしたいと思っています」
