今月20日、神戸市のマンションで冷凍庫から切断された男性の遺体が見つかった事件で、男性の死亡推定時期はおよそ15年前だったことがわかりました。

この事件について、元兵庫県警刑事部長の棚瀬誠氏は、今後の捜査のポイントとして遺体が入れられていた「大型冷凍庫」と「人の出入りの確認」という2つを指摘。

「冷凍庫は遺体の発見を免れるために用意したものと考えられ、『いつどこで購入したか』ということが捜査の糸口になる」、「いまも生活感があるという情報があり、最近の人の出入りも重要な証拠になってくる」と解説しました。

■被害者の周辺情報も用いて死亡推定時期を特定か

まず棚瀬氏は、遺体の死亡推定時期が「2011年12月ごろ」と特定されたことについて、「正直驚いた」と述べつつ、被害者の周辺情報によって時期を特定したのではないかと解説しました。

【棚瀬氏】「正直、私も15年前というピンポイントで死亡推定時期が特定されたのは正直驚いています。

一般に司法解剖というのは、例えば死後硬直や胃の内容物など、科学的に立証できる部分に加えて、例えば『スマートフォンがいつまで使われていた』とか、『処方薬がいつまで処方されていた』という周辺の情報もあいまって、最終的に特定されます。

本件に照らして考えると、おそらく冷凍庫で凍らされていて、途中から腐敗が進んだということだとすると、なかなか科学的な検査のみでは死亡推定時期を特定するのは難しかったのではないかという印象があります。

そうすると、その他プラスアルファの情報、身元が身体的特徴で特定されているところも合わせて考えると、警察には何がしかプラスアルファの情報があるのではないかと推察されます」

■遺体が入れられていた冷凍庫が「捜査の糸口」に

そして棚瀬氏は、今後の捜査について、「大型冷凍庫」と「人の出入りの確認」がポイントになると指摘します。

冷凍庫は、幅94センチ、奥行き53センチ、高さ87センチというものでした。

【棚瀬氏】「犯人の心理からすればご遺体の発見を免れるために、冷凍庫に入れて、すなわち凍らせて見つからないようにしているということだとすると、やはり格別に冷凍庫を準備したという可能性が考えられます。

そうするとこの冷凍庫をどのタイミングで搬入しているのか、どこで購入したのかというのは捜査の糸口になるんじゃないかなと思います。

今回、腐敗が進んで異臭で発見されたということですが、これが冷凍庫ではなく、シンプルに例えばご遺体がそのまま置かれていたということであれば、すぐ腐敗が進んで異臭騒ぎになるということだと思います。

言い換えると、やはり冷凍庫に入れることによって、腐敗の進行を止めたいという意図があったのだと思います」

■部屋に残る「生活感」現在の防犯カメラ・目撃情報も重要な証拠に

「人の出入りの確認」については、15年前について調べるのは難しいが、部屋には最近まで人が生活していた痕跡があるということで、防犯カメラなどを調べてわかる、最近の出入りも重要な証拠だと指摘しました。

【棚瀬氏】「さすがに15年前の人の出入りという点では、目撃情報も防犯カメラの操作というのも困難を伴うと思うんですけれども。

発見場所は生活感があるということですから、現状、誰かが使っていたとすると、現状の出入りというのは人間関係の捜査も含めて非常に参考になるという点で、現在も防犯カメラ・目撃情報というのは重要な証拠になってくるのではないかなと思います」

■死体損壊罪・死体遺棄罪の時効は3年だが…

最後に棚瀬氏は、死体損壊罪と死体遺棄罪は時効が3年となっている中で、立件ができるのか、と質問が出ると、次のように説明しました。

【棚瀬氏】「非常に難しい質問ですが、1つ『損壊罪』というのは、まさに遺体を損壊した今回であれば、切断した段階で犯罪が完成していますので、今回15年経っているとすると、時効にかかっていると見られます。

他方、遺棄(罪)については、ご遺体を隠匿・隠している状態がずっと継続されていると考えれば、要は発見された段階まで犯罪が続いているので、時効にはかからないと。

ここは学説・判例で分かれるところはありますが、過去の判例では継続しているという判断がなされています。

いずれにせよ、殺人を視野に捜査をするということですし、犯人が海外逃亡していたとなるとまた話は変わってきます。

捜査をする上では現状を損壊と遺棄と殺人というのが視野にあると。それで証拠が整えば立件可能だということなんだと思います」

(関西テレビ「newsランナー」2026年6月23日放送)

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