北海道・旭川市の女子高校生殺害事件で、裁判所は主犯格の内田梨瑚被告に懲役27年の判決を言い渡した。その直後、男が乱入し、法廷内は一時騒然となった。
判決直後に男が乱入、裁判は一時中断
裁判長:
主文 被告人を懲役27年の刑に処する。
22日午後3時すぎに言い渡された注目の判決。すると、その直後、前代未聞の事態が起きた。
北海道文化放送 江上太悟郎アナウンサー:
旭川地方裁判所です。内田梨瑚被告に27年の判決が言い渡されました。そこから10分も経たないうちに、法廷内で何者かが暴れたという情報が入っています。旭川地裁にはパトカー1台、警察官2人が駆けつけて、裁判所内へ足早に入っていく様子が確認されます。
男が法廷内に侵入し、暴れたというのだ。

北海道文化放送 江上太悟郎アナウンサー:
今、(男が)パトカーに乗せられ、道警4人に囲まれて旭川地裁を後にしていきます。
注目の裁判は一時中断。異例の事態に、裁判所には緊張が走った。

内田梨瑚被告(23)は、2024年4月に女子高校生を車に監禁して、旭川市の橋の上で服を脱がせて暴行し、その後、橋から落とし殺害したとして、殺人、監禁、不同意わいせつ致死の罪に問われている。

事件があった橋の上には、22日も花が供えられていた。
最大の争点は「橋から突き落としたのか」「殺意の有無」
5月25日から始まった裁判では、「橋から突き落としたのかどうか」と「殺意の有無」が最大の争点となっていた。

初公判で内田被告は「私には、殺意はありませんでしたし、橋から落下させていません」と述べ、殺人と不同意わいせつ致死を否認。しかし、証人として出廷した共犯の女は…。
共犯の女:
梨瑚さんの調書はでたらめで、全部作り話で最初から最後まで全部ウソです。梨瑚さんは、女子高校生の肩甲骨のあたりを両手の手のひらで押しました。(女子高校生は)私の前から一瞬で消えました。
橋の欄干の外側に被害者の女子高校生を立たせ、「落ちろ」「死ねや」と怒鳴ったあと、内田被告が「両手で押した」と証言した。
一方、内田被告は「落下させていない」と証言し、弁護側も、「被害者は自ら飛び降りたか、誤って落下した」として殺人罪も成立しないと主張。2人の証言は、真っ向から対立している。
弁護側の被告人質問では、内田被告が涙を流しながら遺族に謝罪した。

内田被告:
私の身勝手で非常識な言動によって、被害者を傷つけ、苦しませ、これからの人生を奪ってしまい、本当に申し訳ございません。
そして、傍聴席にいる遺族に深く頭を下げた。

検察側は、内田被告を「首謀者かつ主犯」とした上で「犯行は被害者の人格、尊厳を踏みにじる極めて残忍で悪質」などとして、懲役27年を求刑した。
「死刑か無期やろうが!」男が法廷に乱入
対立する主張。判決にどう影響するのか。
旭川地裁は内田被告に、求刑通り、懲役27年の実刑判決を言い渡した。

裁判を取材していた北海道文化放送・東木場緋香記者:
内田被告はこれまでの裁判と同じように終始、落ち着いた様子でした。遺族の方に深く一礼して、証言台に立つと、判決を全て聞き終わった後、小さく頷いて、その後、席に座りました。
証言台に立つ内田被告に、裁判長が判決の理由を述べようとしたその時、傍聴人ではない男が声を上げながら法廷に突然乱入した。

「こんな判決おかしいだろうが!家族が報われないだろうが!」
「死刑か無期やろうが!それが国民の声や!」
50代とみられる男は、証言台にいる内田被告の前を通り過ぎ、弁護側の席あたりで取り押さえられた。男性は凶器などは持っていなかったという。
この騒動で、公判は一時休廷。まさかの事態に、裁判所の外では、パトカーや警察官が慌ただしく動く様子が見られた。そして…。
北海道文化放送 江上太悟郎アナウンサー:
午後3時35分です。取り押さえられた被疑者を乗せたパトカーが今、旭川地裁を後にします。
男は先ほど逮捕されたという。
「殺人の実行行為にあたる」「自己中心的で酌量の余地は一切ない」
男が乱入している間も、座ったままで、動じなかったという内田被告。
その後、再開した公判で、裁判長は、懲役27年の判決を下した理由をこう述べた。

裁判長:
被害者自ら落下した、被告が押して落下させたのいずれであっても、殺人の実行行為にあたると認められる。動機は自己中心的で酌量の余地は一切ない。
控訴について内田被告の弁護側は、「何も決めていない、判決文を入手してから、本人と相談する」としている。
(「イット!」6月22日放送より)

