イランとアメリカによる戦闘終結に向けた対面協議がスイスで行われました。
戦闘終結に向けてどんなやり取りが行われたのか、イスタンブール支局・加藤崇支局長に聞いていきます。
ポイントは「イランが揺さぶり 対面協議で何が」「期限は60日間 今後の見通しは」です。
──まず1つ目のポイント、イラン側が強気の姿勢だったということだが、初日はどんな協議が行われた?
スイスでの対面協議は当初、19日に行われる予定でした。しかしイスラエル軍がレバノン南部に駐留・攻撃を続けることは、アメリカとイランが署名した覚書に違反しているとして、イラン側が協議の延期を申し出たんです。そして初日に行われた協議では、イラン側が冒頭のアメリカ側との握手、そして集合写真の撮影を拒否しました。さらに協議のさなかには、アメリカのトランプ大統領がSNSでイランへの再攻撃を警告すると、「威嚇しない」とする合意に違反したとして、イランメディアは「代表団が会場を離れた」と伝えるなど、アメリカが約束を守らなければ協議すらしないという強気の姿勢を崩していません。
──そんな中、初日はホルムズ海峡の開放やイランの核問題などについて議論が行われたということだが、進展はあった?
イスラエル軍によるレバノン南部への駐留・攻撃が足かせとなっています。イラン側はレバノンでの戦闘停止を先に協議するよう求めたため、核問題などは後回しになっているんです。イランにとっては、レバノンの親イラン武装組織ヒズボラは重要な勢力で、何としても守る必要があるためです。しかし、イスラエルを支援するアメリカにとっては、ヒズボラが攻撃をやめないためイスラエルが自衛するしかないという立場を崩していません。双方の攻撃の応酬が止まらない中、イスラエルのネタニヤフ首相は改めて「レバノン南部に軍は駐留し続ける」と発言するなど、解決の見通しは立っていません。今後の実務者による協議でも、核問題などがどこまで進展するのかは不透明です。
──続いて2つ目のポイント、戦闘終結に向けた今後の協議の見通しは?
大きなテーマとなっているのは、イランの核問題です。アメリカが核兵器の製造につながるとして全ての核開発の停止を求めていますが、イラン側は平和利用だとしてこれを拒否しています。双方の隔たりが大きい中、初日の協議に向けてもイラン側は、トランプ大統領が最も嫌がっているエネルギー市場の混乱を引き起こすため「ホルムズ海峡を再び封鎖する」と宣言しました。一方、アメリカ側は、トランプ大統領がイランへの再攻撃を警告するなど、双方が譲歩を引き出すために圧力をかけている状況で、協議自体が円滑に進むのかどうかも分からないです。双方とも戦闘を終結させたいという思いはありますが、交渉のための期間は60日しかなく、合意への見通しは立っていません。
