驚きも…盛り込まれた全ての提案
「G7が誕生した半世紀前と同様に、エネルギー安全保障やサプライチェーンの強靭化といった現下の世界的な課題に対して、G7として一致した答えを出すことができた」フランス・エビアンで開かれたG7サミット(主要7カ国首脳会議)の閉幕後、高市総理は記者会見の冒頭、こう述べて成果を強調した。

石油備蓄制度の充実や重要鉱物の備蓄に向けた協力の枠組みなど、高市総理の提案がG7の分野別の共同声明に全て盛り込まれることとなった。
出発前、高市総理は自らの構想をG7の場で提案することを記者団に明言していた。
その発言を聞いた自民党議員からは「ハードルを上げている気がする」といった声も聞かれ、政府関係者も、共同声明への明記に向け入念に準備はしていたものの、「提案がしっかり盛り込まれるかは、最後までわからなかった」と振り返り、別の関係者は「ここまでとは驚いた」と語った。
自民党議員たちの率直な評価は?
蓋を開ければ、共同声明には、高市総理が関わった日本主導のエネルギー調達の支援枠組み「パワー・アジア」や、重要鉱物の共同備蓄構想をめぐって日本のJOGMEC(独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構)にならい「G7間で共同協力メカニズムを立ち上げる」といった文言が並ぶ。
そこで、政府関係者ではなく、あえて一連の外交に関わっていない自民党の議員に率直な評価を聞いてみた。すると、「日本の存在感が際立つ内容なんじゃないか」(外相経験者)、「高市総理が言っていた『アジアの代表』としての役割を果たしたと思う」などと軒並み高評価だった。
「きっと帰国当日も…」総理が発したイタリア語
ちなみに、自民党議員との話の中で「帰国当日もきっと働いてしまうと思うが、少しは休んでほしい」といったねぎらいの声も出ていた。
一方、高市総理はイタリア・ローマでのメローニ首相との記者会見で、あるイタリア語を披露した。「発音大丈夫かな…」と言いながら発したのは「ボン・ラボーロ(Buon lavoro)」という言葉。イタリアでは仕事を頑張っている人にかける言葉だという。

そして「イタリア社会の仕事に対する真摯な思いに心から敬意を表します。ジョルジャ(メローニ首相のファーストネーム)とともに、これからも良い仕事をしていきたい」と語っていた。
G7で孤立?画像ネットで拡散…本当は
一方、ネット上では、G7首脳らの輪に入らず高市総理がひとりでたたずむ画像が拡散され、孤立を指摘する声がある。

しかし、現地で取材をしている限り、これは真逆の情報だ。高市総理は空き時間を使って各国の首脳に積極的に話しかけ、コミュニケーションを図っていた。過去に同行した外遊先でも、同様の姿が多く見られた。今回の議論の場でも、総理周辺が「言うべきことは全て言った」と話すように議論をリードする姿が見られ、イギリスのスターマー首相などは深く頷き「その通りだ」と言っていた(政府関係者)。
機中で「鹿もなか」帰国後は国会審議
今回の外遊は、政府専用機ではなくチャーター機での移動となった。帰りの機中では、日本到着前に「鹿もなか」が配られた。高市総理の地元・奈良県大和郡山市のものだった。
行きの機中では資料を読み込み、ペンを入れていた高市総理。帰国後は、22日に集中審議が待ち構えており、ホルムズ海峡への自衛隊派遣や食料品の消費税減税などについて議論が行われる。消費税減税について高市総理は行方を「見守りたい」としているが、超党派の国民会議で示された「税率1%」の議長案に対し、自民党内から「衆院選の公約を守りゼロにすべきだ」「公約を破れば一気に支持率が下がるおそれがある」といった反発も根強い。今後の議論が注目される。
(フジテレビ政治部 与党キャップ 木村祐太)

