2025年8月に福島県郡山市で起きた事故をめぐり、6月17日に車を運転していた男が危険運転致死の容疑で逮捕された。事故直後、男の呼気から検出されたアルコールは、基準値の約5倍に上っていた。
■容疑は危険運転致死罪
6月17日午前7時すぎ、福島県平田村の自宅敷地内で逮捕されたのは会社員の遠藤優太容疑者(24)。
容疑は危険運転致死罪。遠藤容疑者は2025年8月、郡山市本町2丁目の県道でアルコールの影響で正常な操作が難しい状態で車を運転し、信号機に衝突。助手席に乗っていた20代の男性を死亡させた疑いが持たれている。
■暴走する車 同乗者が死亡
付近の防犯カメラには、暴走する車が捉えられていた。
夜明け前の県道を暴走する車が走り抜け、激しい衝突音が響いた。車は信号機などに衝突し、原型が分からなくなるほど激しく破損、助手席に乗っていた20代男性が死亡した。
17日、事故があった現場では、損傷の大きかった信号柱を取り替えるための作業が始まった。折れ曲がったガードレールの下には、花が手向けられていた。
■「飲酒運転をして事故を…」
事故から約10カ月が経った今も、現場に事故の痕跡があるなか逮捕された遠藤容疑者。
捜査関係者によると、警察はこれまで車に搭載された記録装置を解析し、事故直前の速度やブレーキ操作の状況などを捜査。
法定速度の50キロを大幅に超える速度で走行していたことが確認されたという。
さらに呼気から検出されたアルコールは、法律で定められた基準値の約5倍に上った。
警察はアルコールの影響で、正常な操作が難しい状態で車を運転し同乗者を死亡させる事故を起こしたと判断。より量刑の重い「危険運転致死罪」で逮捕した。
調べに対して遠藤容疑者は「飲酒運転をして事故を起こしてしまった」と話し、容疑を認めているという。
《担当記者が解説》福島テレビ・丹野裕之
■事故発生から逮捕まで約10カ月かかった理由・背景
危険運転致死罪の法定刑は1年以上20年以下の拘禁刑で、交通事故の中で重い量刑となっている。ただ、適用には“ハードル”がいくつもある。例えば…
1.アルコールなどの影響で正常な運転が困難な状態での運転
2.進行の制御が困難なスピードでの運転
3.高速道路などでのあおり運転
4.赤信号を故意に無視する
※他4つ、合計8つの類型
■今回は「アルコールなどの影響で正常な運転が困難な状態での運転」が適用
遠藤容疑者からは、基準値の約5倍のアルコールが検出されていたが、それだけでは「危険運転致死」は適用できない。
アルコールの影響で「正常な運転が困難な状態だった」と証明する必要があるからだ。
そのため警察は車に搭載されている事故記録装置を調べるなど、裏付け作業を重ね逮捕に至った。
■法律に規定された「正常な運転が困難な状態」を証明するには難しい
「表現が抽象的」という指摘は以前からあり、いま法改正に向けて国会で審議されている。
改正案では一律の基準が明記されていて、例えば『飲酒の場合は呼気1リットルあたり0.5ミリグラム以上』とされている。
改正案は今国会で成立し、夏にも施行される見通しで、これまで難しかったケースにも危険運転の適用が広がっていくとみられている。
