2026年は庄内沖のクロマグロが豊漁で、2025年の3倍近い水揚げ量となっている。燃料高騰など漁業を取り巻く環境が厳しさを増す中、関係者は庄内浜産のクロマグロの需要拡大に期待を寄せている。

12日午前9時半。
鶴岡市・由良の港に、前日に出発した船が続々と戻ってきた。

次々に水揚げされるのは、大きな「クロマグロ」。
別名「本マグロ」とも呼ばれる、言わずと知れた高級魚。

例年と比べて、半月ほど早く始まった庄内沖のクロマグロ漁はいつになく豊漁で、県全体で2025年の同じ時期の2.7倍に当たる62トンが水揚げされている。

(海生丸・五十嵐健生船長)
「去年は100キロ近いマグロがたまに1~2本だったのが、今年は100キロが当たり前。(Q.こんな年はない?)ないかもね」

(県漁業協同組合指導課・佐藤悠太郎課長)
「庄内沿岸域にイワシが押し寄せていて、定置網でもたくさん獲れている。おそらく沿岸に寄せてきたイワシを食べるため、それを追いかけてきたマグロが獲れている」

この日の由良漁港でも、100キロ近いクロマグロが数多く水揚げされた。
しかし漁業関係者は、豊漁だからと言って手放しで喜んでばかりもいられないのが現状。

国は、資源管理のため「30キロ未満の小型のクロマグロ」と「30キロを超える大型のクロマグロ」について、都道府県ごとに1年間の漁獲枠を厳格に定めている。

このうち県内の“大型”の年間の漁獲枠は83.5トンだが、現在すでに62トンと上限に迫りつつある。
豊漁だからといって“好きなだけ勝手に獲ることはできない”。

(県漁業協同組合指導課・佐藤悠太郎課長)
「いま全体では現在70%超の消化率になっていて、漁獲の枠が足りなくなっていると心配している」

そして、関係者の頭をさらに悩ませるのが、漁業関連資材や燃料の価格高騰。

(海生丸・五十嵐健生船長)
「発泡スチロールも高くなったし、燃料は相当高くなった。今年は特に豊漁でマグロの値段が安いから」

県漁協によると、2026年は発泡スチロールや漁具・燃料など、漁業に欠かせない資材が2025年より3割も値上がりしている。

一方で、クロマグロは豊漁によって単価が下がっている。
2025年と2026年のクロマグロの単価を比べると、2025年春の1キロ当たりの平均単価2532円なのに対し、2026年春の平均単価は1872円と660円も下落している。

本来はうれしいはずの豊漁も、漁業者の心境は複雑なよう。

「庄内沖のマグロ皆さんおいしいので食べてくださーい」

そんな中、豊漁を追い風に庄内のクロマグロを広く知ってもらおうと、6日に山形市のスーパーで解体ショーと販売会が開かれた。
包丁で豪快にさばかれていくクロマグロ。
一度も冷凍していない庄内浜産の「生マグロ」の試食も用意され、買い物客に振る舞われた。

(訪れた人)
「本当に新鮮で、めったに庄内のマグロは食べられないのでおいしかった」

「(Q.どうでした?)おいしい、おいしい! 庄内まで買いに行ったりする。地元(山形市内)で売ることがなかなかないから、どこで食べてもおいしいが新鮮さが違う」

豊かな海の恵みで活気づく庄内のマグロ漁。
「漁獲枠の上限」「物価高」など課題はあるが、それでも関係者は庄内のクロマグロのブランド化に期待を寄せている。

(県漁業協同組合指導課・佐藤悠太郎課長)
「まずは庄内浜産クロマグロの認知度向上、一般の消費者にたくさん食べてもらうことが重要だと思う。それに伴い山形県庄内沖のマグロをブランド化していければ」

庄内のクロマグロの解体ショーと販売会は20日(土)、鶴岡市内のスーパーでも開かれる予定。

さくらんぼテレビ
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