梅雨の時期、雨の日の愛犬の散歩は泥汚れやぬれた体のケアなど、飼い主にとって一苦労だ。そんな中、広島市西区のビルの地下に、こだわりのパン屋と室内ドッグランが一体となった隠れ家のような場所がある。
ビルの地下に現れる隠れ家パン屋
広島市西区南観音にあるレトロなビル。
久保田夏菜リポーターは「入り口からして隠れ家感が出てますよね」と話しながら、奥の階段を下りた。地下に、「MUGI NO SHIPPO コチラです」と書かれた小さな看板を発見。
扉を開けると、焼きたてのいい香りが広がった。
「パン屋さん!うわぁ、美味しそう」
店長の砂田真未さんが「まさかのパン屋でした」と笑う。
2022年にオープンした「MUGI NO SHIPPO」には、約40種類のパンが並ぶ。子育て経験のある砂田さんらしく、メロンパンも食べやすいサイズに。
「お子様がたくさん来てくださるので、食べやすいパンとなると、どんどんちっちゃく小分けになっていきました」
クロワッサンに見える「チョコクロクッキー」(4個入り300円)など、店長のアイデアが詰まったかわいいクッキーも人気だ。
リピーター続出の秘密は“福神漬け”
自身の店を開くまでさまざまなパン屋で経験を積んできた砂田さん。オリジナル性あふれる商品の中でも、リピーターが多いのが「パリパリナンカレー」(220円)だ。
タンドリー風の甘口カレーをベースにしたパンの上に、赤い具材がのっている。トマトか、パプリカかと思いきや、正体はなんと「福神漬け」。
「半信半疑で試してみたんですけど、意外と合うんですよ」
「カレーといえば福神漬けですけど、パンに?」と驚く久保田リポーターだったが、一口食べると表情が変わった。
「スパイス感も残るけど甘みもある。福神漬けの食感と味がいいアクセントになっています!」
砂田さんによると、一度に3枚、4枚とまとめ買いする人もいるという。
ガラスの向こうに広がる謎の空間?
パンが並ぶ販売スペースの隣には、ガラス越しにもう一つの部屋が見える。テーブルやおもちゃが置かれ、一見するとキッズスペースのようだが、実は別の目的で作られた空間。
「気になるので、入ってみてもいいですか?」
久保田リポーターが足を踏み入れると、元気な犬の鳴き声が響いた。
「えー!ワンちゃんがいる。どういうこと?」
「実はキッズスペースではなく、ドッグランなんです」
出迎えてくれたのは、店名の由来にもなった看板犬の「むぎ」ちゃん。
この室内ドッグランでは、愛犬たちが自由に走り回ることができる。屋外ほどの広さはないものの、遊具も備え、床には滑りにくく防水加工された素材を使用。テーブルや椅子もあり、飼い主がパンを味わいながら愛犬を見守れる憩いの場だ。
砂田さんは「ワンちゃんがストレスなく過ごしてもらえる空間に」と話す。
梅雨時は、愛犬の運動不足解消にもピッタリ。
「雨の日でも関係なく外に出たい子も多いので、そういう方に利用していただいています」
一方、犬を連れていない客も安心して利用できるよう、イートインスペースを分けたり、パンをすべて袋詰めにしたりと衛生面にも配慮しているという。
「むぎと一緒に働きたい」夢を形に
なぜ、パン屋とドッグランを併設させたのか?
「どうしてもむぎと一緒に仕事がしたくて。何ができるかなと思った時に、ドッグランしようって思ったんですよ」
ただ、ドッグランだけでは物足りないと感じた砂田さん。
「私、パンが焼けるじゃんと思いついて」
そうして生まれた、“こだわりパンとドッグラン”というちょっと珍しい組み合わせ。オープンから4年がたち、今ではたくさんの愛犬家が集まる場所になった。犬たちの交流だけでなく、飼い主同士も自然と会話が生まれる。
砂田さんは、「私自身もワンちゃん友達ができて、情報交換の場になっていますし、すごくいい空間だなと思います」と笑顔を見せた。
梅雨空が続く季節。隠れ家のような空間に、パンの香りと犬たちの元気な声、そして人と人をつなぐ癒しの時間が流れていた。
(テレビ新広島)

