高知市の高知中央高校に、セブン-イレブンがオープンした。高校の敷地内への出店は全国で初めてのケースとなる。その背景には、学校が直面している「食堂維持の厳しさ」という問題が隠されていた。
店内の広さは一般的な店舗の4分の1から2分の1ほどとコンパクトながら、おにぎりや惣菜といったすぐに食べられるものや文房具、日用品を中心に約1200種類を取りそろえている。昼休みや放課後には、多くの生徒たちで大いに賑わいを見せている。
しかし、このコンビニ導入にいたるまでには苦渋の決断があった。ここで営業していた食堂は5月中旬に閉鎖となった。食堂を運営していた業者によると、食材の相次ぐ値上げにより、2024年ごろから利益を出すことが困難になっていたという。
さらに、ご飯の炊飯やおかずの調理は主に専用の工場が担っていたが、従業員の高齢化が進行し、求人を募集しても特に深夜帯の人を確保することができない状況になったそう。
高校には約700人の生徒が在籍しているが、そのうち3分の1にあたる生徒が寮生活を送っている。彼らにとって学校の食堂は、朝・昼・晩の3食すべてをまかなう生命線であった。
業者の担当者は「食材の配送も含め、働いてくれる人の確保も難しい中、1日3食を確実に届けないといけないという責任は厳しかった」と振り返る。
寮生が多いことから、突然の食堂閉鎖の知らせに当初は戸惑いの声を上げる保護者もいたが、他に運営を引き受ける業者も見つからず、最終的に学校側はコンビニの導入を決断した。
コンビニに変わったことへの生徒たちの受け止め方はさまざまである。ある3年生の生徒は「最初はちょっと『えー』となったんですけど、今見たら結構品ぞろえも多いのでコンビニの方がいいかなと思っています」と前向きに捉える。
一方でこんな生徒も―
1年生の生徒は「ちょっと金銭的に厳しい。バランスの取れた食事ができないからちょっと厳しい。部活の後は空腹すぎて夜食にラーメンとか食べています」と話す。
そんな物足りなさを解消するため、生徒たちの間では独自の工夫も。
食堂には大きな炊飯器が置かれており、バスケットボール部の生徒たちが自分たちで米を炊いている。2年生の部員は朝・昼・夜の1日3回、自分たちで役割を決めてご飯を炊いている。
バスケットボール部の2年生は「今の時期食べないといけないので。食トレ(食事トレーニング)とかもあるので」と笑顔で話す。この日も15合の米を炊いたが、お昼にはすべてなくなったという。
育ち盛りの子どもたちの「食」のをどのように担保していくべきか。店内には生徒からの商品リクエストや要望を受け付けるコーナーも用意されている。
学校側は、これからさらに生徒たちが使いやすい空間にしていきたいと考えている。