福島第一原子力発電所で、処理水の海洋放出が警報により停止したトラブルをめぐり、東京電力は停止から約24時間後に放出を再開したと公表した。

福島第一原子力発電所では、6月10日午後4時17分、処理水放出について「移送工程異常」を知らせる警報が発生し、処理水の放出が自動停止。東京電力によると、現場確認の結果、設備状態に異常はなかったという。
また、東京電力は警報の原因について、処理水をためているタンクから放出に至るまでの移送経路にある電動弁に不具合があった可能性が高いとしている。弁の開閉を検知するセンサーが原因である可能性が高いため、電動弁一式を交換。動作確認が完了したことから、停止から約24時間後の6月11日午後4時10分に処理水の放出を再開した。
この間、基準を満たさない濃度の処理水の放出や環境への影響はなかったという。


福島第一原発1号機から3号機の原子炉の中には、事故で溶け落ちた核燃料が固まった“燃料デブリ”が存在する。“処理水”はこの燃料デブリなどに地下水や雨水などが触れることで発生する“汚染水”から大部分の放射性物質を取り除いたもの。海洋放出は2023年8月に開始され、これまでに完了した19回の放出では、合わせて約14万9,000t(タンク約149基分)の処理水が放出されている。

処理水の放出は、敷地を圧迫する1000基あまりのタンクを減らし、廃炉のためのスペースを開けることが大きな目的のひとつ。2026年5月28日の時点で、処理水等の貯蔵量は放出開始前から約7%減少している。貯蔵されている水の中には処理水放出の基準を満たす前の“処理途上水”も含まれている。

処理水の海洋放出は、放出前の水をためる水槽と海水面の高低差を利用して海に流れるようになっているため、海面が高くなって水が逆流してしまう恐れがある場合や、設備の安全性を確認すべき場合には放出を停止することが定められている。
震度5以上の地震や津波注意報、竜巻注意情報(発生確度2)、高潮警報などで放出を手動停止することが決まっていて、これまで2024年3月の地震、2025年7月の竜巻注意情報や津波注意報、同年12月の津波注意報で手動停止したことがある

トラブルでの放出停止は、2024年に第一原発構内で掘削作業中にケーブルを傷つけ停電が発生するトラブルが起きて以来、2回目。
一方、放射性物質の基準を超えるなど、運用に関する大きな問題は現時点で発生していない。

福島テレビ
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