中国の習近平国家主席の北朝鮮訪問について、FNN北京支局・近藤雅大記者に「7年ぶり訪朝 習近平主席の狙い」「非核化に反発 首脳会談どうなる」の2つのポイントについて聞いていきます。
――1つ目のポイント。7年ぶりとなる習近平国家主席の北朝鮮訪問ですが、どんな狙いがあるのでしょうか?
北京支局・近藤雅大記者:
北朝鮮の後ろ盾としての存在感を世界にアピールする狙いがあるとみられます。習主席は5月に、金総書記との再会談を模索するトランプ大統領や北朝鮮との軍事協力を強化するプーチン大統領と相次いで会談しました。習主席としては、この2つの会談の内容を金総書記に直接伝えるとともに、アメリカやロシアなどに対しては、朝鮮半島の安全保障では中国を外せないことを示す狙いがあるとみられます。
また、重要な外交イベントが続く中での2026年初の外遊として訪朝を選んだことも、北朝鮮との関係を重視する姿勢が表れているといえます。
――アメリカの動きとともに習氏が警戒しているのはロシアの動きだということですが、これはどういうことですか?
北京支局・近藤雅大記者:
ロシアのウクライナ侵攻後、北朝鮮は武器供与や兵士の派遣を行い、軍事面を中心とした関係を強化しています。習主席としては、北朝鮮、ロシアとはそれぞれ協力を深めたいものの、北朝鮮が過度にロシアに接近し、安全保障の問題で頼るのは避けたい考えがあるとみられます。今回の会談では、北朝鮮を中国側に引き寄せるとともに、北朝鮮との結びつきをあらためて強化するため、さらなる経済的な支援などを提案する可能性もあります。
――続いて、2つ目のポイント。今回の首脳会談の焦点の1つが北朝鮮の「非核化」ともいわれていますが、こちらの見通しはどうでしょうか?
北京支局・近藤雅大記者:
非核化については、今回の会談で議題になるかは今のところ分かりません。5月の米中首脳会談を受け、アメリカ側は会談の成果として、“北朝鮮の非核化を目指す目標を確認”と発表していますが、中国側の発表では、北朝鮮の核問題についてはまったく触れられていません。
また北朝鮮側は、このアメリカの発表に「虚偽だ」と反発し、「核保有国としての地位は絶対に譲れない一線」と主張しました。
今回の中朝首脳会談で、習主席が非核化を取り上げることをけん制した可能性があります。
習主席としては、アメリカやロシアなどに対し北朝鮮への影響力を示したい思惑がある一方、冷え込んでいた北朝鮮との関係をあらためて強化したい狙いがあり、敏感な「非核化」というテーマにどこまで踏み込むかは不透明な状況です。