山林火災の始まりは、多くがたばこやたき火などの人為的なものです。2026年4月、岩手県大槌町で発生した山林火災は、1カ月以上たった5月29日にようやく鎮火が宣言されました。一時、町民の約3割が避難を余儀なくされ、秋田県内の消防も緊急消防援助隊として現地に赴き、消火活動などに当たりました。焼失面積が1600ヘクタールを超える大規模な火災。発生直後は雨が降らない日が続き、消火活動は難航しました。
4月22日、岩手・大槌町の2カ所で山林火災が発生しました。10日後の5月2日に燃え広がる恐れのない鎮圧状態になったものの、合わせて1633ヘクタールを焼き、鎮火まで1カ月以上を要しました。
火災発生の翌日に国から秋田県に緊急消防援助隊の出動要請があり、県内12の消防本部から4回にわたり、延べ130隊454人が現地に赴きました。
1次隊大隊長として4月24~27日まで活動した秋田市消防本部の保坂一茂警防課長は、到着した時の様子を「空気が乾燥している、風が強いと感じた。初めての場所でなかなか現場を把握することができず、時間が少しかかった」と振り返ります。
細い林道には大型車両が入るのが難しく、小型車両に水を送って放水したほか、隊員が約20リットルの水を背負って山に入りました。
消防隊は、夜間は滑落や転倒の危険があるため、基本的に山の中で活動しませんが、今回は一刻も早い鎮圧に向け、ローテーションを組んで夜も消火活動に当たりました。
秋田市消防本部・保坂一茂警防課長:
「照明をたく、あまり離れないようにするなどの工夫をして、夜通し消火した。消火しないと、近くに民家があるため『何とか食い止める』という思いで活動を継続した」
懸命の活動によって5月2日に鎮圧し、緊急消防援助隊は5月4日、地元の住民に見送られて現地を離れました。
秋田市消防本部・保坂一茂警防課長:
「感謝の気持ちや『ありがとう』という言葉をもらったり、お辞儀をしてくれたりして、被災者の方から私たちが『頑張れ』と勇気づけられたり、元気づけられたりした」
加えて、大規模な火災の経験は、隊員の意識の変化にもつながったようです。
秋田市消防本部・保坂一茂警防課長:
「例えば消火の仕方。有効な資機材はどういうものかなどを学んだ。今後、もし秋田市、県で大規模な林野火災があった際は、フィードバックして活動していきたい」
山林火災は全国でも相次いで起きているほか、5月18日の秋田市の火災では、鎮火まで丸1日を要しました。
5月18日、秋田市河辺和田の山林で火災が発生し、枯れ草や立ち木など約10ヘクタールを焼きました。
防災ヘリによる上空からの消火や地域の消防団の協力で、当初の想定よりも早く鎮火に至ったということです。
一方で、秋田市消防本部の大塚豪予防課長は、県内でも大槌町のような大規模な火災は起こり得ると指摘します。
秋田市消防本部・大塚豪予防課長:
「林野火災の特徴として、消火活動が困難で延焼スピードが速い。県内でも林野火災が発生すると、大規模な火災に発展する可能性があると考えている」
林野火災の原因は、たき火や野焼き、たばこの火の不始末など、人間が火を使ったことによるものが多く、火を使わないのが最も有効な防止策です。
秋田市消防本部・大塚豪予防課長:
「今は山菜採りシーズンで、入山機会も増えているため、火の取り扱いに十分な警戒・注意が必要」
2026年度、森林地域の地表が乾燥している場合など林野火災が発生しやすい時に発令する「林野火災注意報」が創設されました。
発令されると、森林区域や周辺での火の取り扱いが制限されます。
秋田市消防本部・大塚豪予防課長:
「林野火災を予防するために、日常的な火の取り扱いに注意することはもちろん、林野火災注意報発令中における火の取り扱いの制限について理解・協力をお願いしたい」
林野火災注意報や警報の発令状況は、県の防災ポータルサイトで管轄している消防本部ごとに確認することができます。
少しの油断が大規模な山林火災につながる恐れがあります。注意報や警報が発令されている時はもちろん、日頃から火の取り扱いに注意しましょう。