名古屋港の海底から土砂を掘り下げ、船の安全を守る日本一の浚渫船「清龍丸」。30分で1000トンの土砂を吸い上げる巨大な設備と、24時間体制で働く乗組員たちの船上生活に迫ります。

■居室の中は…名古屋港の“働きもの”へ潜入!

名港トリトンを潜り抜け、立ち並ぶコンテナを横目に南に進むこと20分。名古屋港の海上に見えてきたのは、全長104m・総トン数4792トン、国土交通省が所有する日本一の浚渫船「清龍丸」です。

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浚渫とは、船が港を安全に進むことができるよう、海底の土砂を掘り下げ、水深を深くする工事のことです。

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この船に乗って30年、春に船長に就任したばかりの黒柳船長の案内で、初公開だという船長室を見せてもらいました。

船員は月曜から金曜まで5日間乗りっぱなし。休憩時間を充実させるため、テレビやトレーニング器具を持ち込むなどしていました。居室の中では一番広いということで、ソファーやベッドもあります。

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さらに、船の傾きが分かる装置も取り付けられていました。

黒柳船長:
「外洋を走る場合は(棚を)全部横に倒す、飛んじゃいますので。テレビもおろして」

■30分で1000トン…大量の土砂が船内へ

清龍丸の頭脳「操舵室」には、レーダー・無線機・モニターなどがずらり。操舵には常に5人が携わり、浚渫工事に関わる安全を監視しています。

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ひっきりなしに船が行き交う名古屋港では、万が一にも事故は許されません。

黒柳船長:
「レーダーが2台ありまして、これが他船の動きですね。これを見て、危険なものがあれば報告する」

モニターで浚渫が必要となる浅い地点を確認したら、海底14mから吸い上げます。大量の土砂が、みるみるうちに船内へ。その量、1回およそ30分の作業で1000トンです。

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遠浅の名古屋港には川からも土砂が流れ込むため、船の大型化も進む中、こうした小まめな浚渫が必要不可欠となっています。

黒柳船長:
「これが『ドラグヘッド』です。海底に接地して、ここから土砂を吸い込みます。ヘッドカッターで土砂を削りながら吸い込んでいきます」

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集めた土砂は、名古屋港の巨大な人工島「ポートアイランド」で受け入れています。

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作業は24時間の3当直制。例えば、午前0時から4時間働いたら、8時間の休憩を挟んで、正午から再び4時間働くといったことを繰り返す、“24時間眠らない船”です。

■料理人による食事も充実 災害支援で活躍も

船の上で過ごす日々の楽しみとなる「食事」。海外のレストランで腕を磨いた料理人が、船舶料理士として栄養やカロリーを考えて温かい食事を提供しています。

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取材した日のメニュー(昼)は、桜エビの和風パスタ・オイルサーディンとポテトのサラダ・サラダでした。予算は1日1340円で管理されていて、食費の個人負担はないということです。

さらに、浴室にはシャワーだけでなく、あたたかい湯舟もあります。

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黒柳船長:
「2カ所浴室がありまして、災害支援の時に入浴支援も行ったんですけど、男湯と女湯を分けて用意できました」

熊本地震や西日本豪雨では、被災者の心と体を癒す「入浴支援」を実施。洗濯機の開放や支援物資の運搬も担い、傷ついた被災者に海から寄り添いました。

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さらに、1997年の「ナホトカ号重油流出事故」では、938キロリットルもの油の回収に貢献。世界とつながる海の汚染を食い止めようと活躍しました。

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黒柳船長:
「浚渫作業をすることによって、日本の経済活動の役に立っているなと思っております。色々な災害支援などにも、もっと積極的に参加したいと思っております」

清龍丸は日本の国民と海のために、今日も名古屋港で働いています。

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