長野県内では5月、人里にクマが出没し、捕獲・駆除されるケースが相次いでいる。専門家は、「これから山にエサがなくなり、クマが歩き回ることが増える」として、戸締りやゴミの管理など、対策の徹底を呼びかけている。

「クマが道を…」警戒しながら登校

長野市若穂保科では、26日午後11時すぎ、車で通りがかった人から「クマが県道を横断し川の方に行った」と通報があった。

クマは体長1メートルほどで、警察官がかけつけたが、見当たらなかったという。

近くの保科小学校は、27日、登下校時に保護者に付き添ってもらうようお願いしたということだ。

保護者:
「娘もキョロキョロしながら、ちょっと怖がりながら登校してきた。全国のニュース見ていても(クマが)全く人を怖がっていない。何かあってからだと遅いので」

クマの目撃があった県道(長野市若穂保科)
クマの目撃があった県道(長野市若穂保科)
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警察や市が捜索を続けたが、その後は、目撃情報は寄せられていないという。

公園の木の上に…人里での出没相次ぐ

県内では5月、人里にクマが出没し、捕獲・駆除されるケースが相次いでいる。

5月22日、松本市街地に出没したクマ。

捕獲され、ブルーシートをかけられたクマ(松本市)
捕獲され、ブルーシートをかけられたクマ(松本市)

住宅地や、水路を歩き回り、公園の木の上に登ったところを取り囲まれ、捕獲、駆除された。

「悪いことが起きる芽は摘んでおく」

信州大学 山岳科学研究所・泉山茂之 特任教授:
「クマに限らずシカもイノシシも、川とか段丘斜面が移動の道になっていて逃げ回っていた。ヒマラヤ杉の木に上がってクマとしては隠れてたんだよね。逃げ出すこともできないし、困り果ててたんでしょ、きっと」

県のクマ対策員でもある信州大学の泉山茂之特任教授。

22日は、松本市の要請を受け、麻酔銃を3発放った。

県内では、5月に入り、安曇野市や原村、千曲市で人里にクマが出没。

いずれも麻酔銃で捕獲され、その後、駆除された。

5月4日、原村で捕獲されたクマ(提供:視聴者)
5月4日、原村で捕獲されたクマ(提供:視聴者)

泉山教授は、このうち、安曇野市と原村のケースでも対応にあった。

どちらも人への被害はなかったが、生ごみを食べた跡があったという。

信州大学 山岳科学研究所・泉山茂之 特任教授:
「人里近くに来るクマは、クマ社会の中で弱者。弱いクマっていうのは、人のこともすごく怖がっているんです。(人里への出没など)悪いことが起こるかもしれない芽(クマ)はちゃんと摘んでおくのが大事」

「行動範囲が広がる夏は特に注意」

ただ、県内では「人里への出没が多発している状況ではない」として、冷静な対応を呼びかけている。

山間部の防護柵の設置や学習放獣、人里に現れた個体の駆除など、これまでの対策の積み重ねで、「県内のクマは、積極的には人や住宅を襲わず、臆病」だという。

信州大学 山岳科学研究所・泉山茂之 特任教授:
「東北のクマって全然、人間の怖さを知らないって感じするでしょ。長野県のクマってあんなクマはいないんです。今までやってきた対策が効いている」

信州大学 山岳科学研究所・泉山茂之 特任教授
信州大学 山岳科学研究所・泉山茂之 特任教授

一方で、山々に囲まれた県内は、全域にクマが生息し、どこに出没してもおかしくない状況。

これから夏にかけては、クマの行動範囲も広がるため、特に注意が必要だという。

信州大学 山岳科学研究所・泉山茂之 特任教授:
「食べ物がなくて動き回るのと、結婚相手のメスを探して動き回るのと両方が暑い時期になるんです。だから真夏は一番気をつけなきゃいけない。(山間部では)ちゃんと鈴をつける。人家の周りには生ごみを置かない。少しずつでも刈払いをしてクマが隠れる場所をなくすとか。基本的な対策をしっかりやってもらいたいと思います」

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