大幅な上方修正

トヨタ自動車は、2021年3月期の業績予想について、純利益を従来の7,300億円から1兆4,200億円に上方修正し、売上高も24兆円から26兆円に引き上げた。

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アメリカや中国を中心に想定以上のペースで販売が回復していることが要因で、2020年9月の販売台数は、9月としては過去最高となった。

一方、4月から9月までの連結決算は、売上が前の年の同じ時期に比べ、25.9%少ない、11兆3,752億円、本業のもうけを示す営業利益は、62.8%少ない、5,199億円だった。

また、ホンダも、中国を中心に自動車販売が好調で、業績予想の純利益を1,650億円から3,900億円に上方修正した。

SMBC日興証券によると、東証1部に上場する3月期決算企業の、2020年4月から9月までの決算は、5日までに665社で発表され、純利益の合計は、前の年の同じ時期に比べて45.5%減少

 

陸運や空運をはじめ、自動車を含む「輸送用機器」などが大きな落ち込みとなっていて、依然、感染拡大の影響が続いている。

一方、2020年度1年の通期では、純利益の合計は36.8%減少している。

業績結果の明暗を分けたのは

内田嶺衣奈キャスター:
松江さんこの中間決算の結果をどうご覧になりますか。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
4月から6月はコロナの真っ最中。
7月から9月に関してはようやく底を打った。

しかしながらこの先を見ると、「まだまだ需要の戻りというのは少し時間がかかりそうだ」
こんな現実を表している、中間決算だと思います。

内田嶺衣奈キャスター:
そして産業によっては二極化しているような印象も受けるんですがそのあたりはいかがですか。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
業績の結果の明暗を分けたのは、一つは「コロナ禍によって人の移動が制限された」この要因が大きいのです。

まさに人の移動に関わるような、航空だとか自動車も含めた運輸。
このあたりが非常にマイナスに振れている。

全ての産業の課題とは

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
一方でこの移動を伴わないような消費。
例えばリモートワークも巣ごもり消費もそうですけれども、それに伴って情報通信であるとかエンターテイメントであるとか、もしくは物の移動という部分での物流であるとか、もしくは消費財。
ここに関しては業績は比較的底堅い。

この先、このあたりの実際移動を伴わない、もしくは非接触型、こういったところの需要をどう取り込んでいくのか?
この辺が全ての産業で課題になってくるところではないかなと思います。

内田嶺衣奈キャスター:
企業によっては依然として厳しい状況が続いているところもありますから、それぞれの新たな可能性の模索も必要不可欠になってくるかもしれません。

(「Live News α」 11月6日放送分)