新型コロナウイルスの5類移行から3年が経ち、社会には日常が戻りました。

富山県によると、2026年に入り、新型コロナで入院した患者は高齢者を中心に、累計で107人。

ピーク時から大幅に減り、重症者はゼロです。

その陰で、いまもコロナに苦しみ続ける人がいます。

コロナの「後遺症」。ライブBBTが取材を続ける富山市の男性は発症から4年以上経ちました。少しずつ改善するも、完治はほど遠い…男性の「その後」を追いました。

富山市の西山あつし(仮名)さん、32歳。妻と、1歳半になる娘と暮らしています。

*西山さんの妻
「(娘が)何でもマネするんね」

後遺症の症状を和らげるため毎朝のストレッチは欠かせません。

*西山あつしさん(仮名)
「ブルブル振動する道具。(娘の)プレイマットは振動を吸収しやすいので、ここでストレッチしている」

*妻が出勤
「行ってくるね、バイバイ」

頭に巻いているのは氷を包んだタオル。30分に1回、交換しています。

*西山あつしさん(仮名)
「24時間。寝るとき以外。起きてきたときも頭が痛かった。冷やしたら楽になる。血行不良が原因じゃないかと思う。つらい時に、頭がうっ血する。鼻血が出る。鼻のあたりも圧迫される感じで苦しい」

もともと運動が好きだった西山さん。コロナ禍の2021年秋に結婚しました。その4カ月後、(2022年3月)、新型コロナに感染。

それから頭痛や倦怠感など様々な症状に苦しみ続けています。仕事は1年半以上休み続け、退職し、医療関係の現場に勤める妻の扶養家族になっています。

*西山あつしさん(仮名)
「だいぶ(体調が)上がった。できることが増えた。1日中、横になっていないとつらいというのは、なくなった」

ただ、今も10種類以上の薬を服用しています。症状は回復傾向ですが、悪化することも少なくありません。

*Q.後遺症になる前の体調と比べると?
*西山あつしさん(仮名)
「コロナ前の体調が10だったら、1もない。痛みや症状が少なくなっただけで、運動ができる状態と比べたら、レベルが低い」

1歳半になる娘。日中の育児は西山さんが担っています。日課の散歩には、頭を冷やす氷が欠かせません。育児を頑張りすぎることで、症状が悪化したこともあったといいます。

*西山あつしさん(仮名)
「何年も走っていない。こわい。走ったら頭がやばそうなので。10年後、(娘が)勉強でもスポーツでも没頭したときに、今の体調では相手をしてあげられない。娘もかわいそうだけど、自分もさみしい。もうちょっと大きくなったら、もっと相手してあげたい」

ハローワークで仕事を探したこともありましたが、症状の悪化を繰り返すことから、断念。

今は植物の売買など、自宅でできる仕事で生活の足しにしています。

*西山あつしさん(仮名)
「フルタイムで働くのは無理。植物の水やりも苦しくない態勢で。氷を20分に1回変えたり、工夫しながらやっている。そんな融通のきく仕事は世の中にはないと思う。
完全に症状が消えるまでは、普通に働くのは無理」

この日は月に1回の診察です。これまで富山と石川の病院を受診しましたが、回復せず。いまはオンラインで、東京のクリニックにかかっています。

*西山あつしさん(仮名)
「朝だけ頭痛が強めにでるときがあって」

*ヒラハタクリニック 平畑光一院長
「首ですね。胸鎖乳突筋という筋肉。筋肉に沿って、10往復くらい首を動かす」

*西山あつしさん(仮名)
「今までで一番回復の手助けをしてくれた先生。身近にいて対面で受診できれば、効き目は違ってくると思う。(ストレッチの)YouTube動画を見ているが、難しいところはある」

平畑医師は、これまで西山さんを含めて全国8300人以上の後遺症患者を診てきました。

*ヒラハタクリニック 平畑光一院長
「コロナ後遺症を診る外来はおそらく減っている。診てもらえるところがないからといって、当院にくる状況が異常。各県に一カ所くらいは(コロナ後遺症)専門外来があっていい」

年々、患者を取り巻く環境は厳しさを増していると話します。

*ヒラハタクリニック 平畑光一院長
「社会のコロナ後遺症に対する理解はすごく後退していると思う。患者は『今時コロナなんて言っているの?』とあちらこちらで言われている。最近は2月に感染の波があった。そこで感染し後遺症になった患者もいる。そういう状況は全く知られていない。2月に感染の波があったこともほとんどの人が知らないと思う。患者さんにとってはものすごく厳しい環境」

コロナの後遺症を発症して4年。いまだ明確な治療法や治療薬はありません。

*西山さんの妻
「別の病気じゃない?鬱など精神的な病気じゃないかと言われることはよくある。
(症状が4年続くのは)長いと思うが、こうやって3人や2人でいるのは貴重な時間。
いいこともあるけど、一生付き合っていかなきゃいけないかと考えてしまう」

*西山あつしさん(仮名)
「世の中、後遺症がないと思っているのでは。一時、報道があった頃と比べて。『コロナの後遺症』そんなのあるの?っていう人の方が多いと思ってしまう」

コロナの感染をきっかけに、今ももとの生活に戻れない人がいます。

後遺症の西山さん、取材した医師によると症状が4年続くのは長い方だということですが、当初はソファーで寝たきり、杖がないと外出できない状態でした。

その頃と比べるとかなり症状は改善しています。

このコロナの後遺症、症状が多岐にわたるため、国内でどれほどの患者がいるかもわからないのが実態です。

そのため、コロナ後遺症を専門的に診る外来が増えない、対策が強化されない現実があります。

富山テレビ
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