アメリカ・カリフォルニア州の市長がかつて送っていたとされる「リーダー、ありがとうございます」というメッセージ。

アメリカの市長が「リーダー」と呼んだ相手は、中国政府の情報機関で責任ある立場にいたとされる人物でした。

アメリカ国内で中国の工作員として活動した罪で市長が起訴され、市長職を辞任したことが大きな波紋を呼んでいます。

日本時間の13日未明、米中首脳会談が行われる中国・北京に向け出発する、アメリカ・トランプ大統領が報道陣の前に。

アメリカ・トランプ大統領:
中国とは、今後何十年にもわたってすばらしい関係を築いていけると思う。習国家主席と私の関係はすばらしいものになるだろう。

今回のトランプ氏訪中には、テスラ社のイーロン・マスクCEOに加え、半導体の世界最大手・エヌビディア社のCEOも同行。
2つの大国の間でどのように経済的なディールが交わされるか注目される一方で、14日の首脳会談では、懸案の台湾問題がどう議論されるかも焦点の1つとされています。

そんな両国の駆け引きを前に、中国側によるアメリカ国内での工作活動とみられる動きが明らかに。

驚くべきは、工作員として活動した罪で起訴されていたことが明らかになった人物の職業です。

2026年2月から5月11日まで、アメリカ西部カリフォルニア州のアルケイディア市の市長だったアイリーン・ワン被告(58)。

アイリーン・ワン被告:
私は国内外にどのような敵がいても、合衆国憲法および州憲法を順守します。

そんなワン被告は、市長就任前の市議会議員時代、「アルケイディア市の119年の歴史の中で、私が中国本土出身として初めて選出された“中国系女性議員”であることを耳にしたかもしれない。この節目で担う責任の重さを私は理解しています」という演説も行っていました。

しかし、そんな言葉とは裏腹の行動が明るみに。

アメリカ司法省によると、ワン被告は2020年から2022年までの間、中国政府当局の指示による“工作活動”を行っていたといいます。

その1つが、ウイグル人への人権問題が国際的に指摘されていた、新疆ウイグル自治区を巡る発信。

ワン被告は、「新疆において大量殺害(ジェノサイド)は存在しない。いかなる生産活動においても強制労働などというものは存在しない」といった文章を中国政府の情報機関の当局者から受け取りました。

そして、こうした文章を自らが共同で運営していた地元向けのニュースサイトに投稿したといいます。

その後、ワン被告は記事のアクセス数を中国政府の当局者に報告。
「すばらしい」とほめられると、「リーダー、ありがとうございます」。

市は、ワン被告による違法行為が市議会議員や市長になる前の出来事だったと指摘。

その一方で、「“外国政府が地元の公選職にある人物に対して影響力を行使しようとした”という疑惑は極めて憂慮すべき事態であり、私たちはこれを重く受け止めております」としています。