輪島市の漆芸作家、田中義光(たなかよしみつ)さん。
地元の高校を卒業後、輪島漆芸技術研修所で漆の基礎を学び、装飾技法である「蒔絵」の研鑽を積んできました。
蒔絵は、漆で描いた絵や文字の上に金粉・銀粉を蒔き、定着させる伝統技法です。田中さんの作品は、身近に咲くツバキやスイレンなどの草花を描き、貝殻を使うなど、自然から着想を得た抒情的な作風が持ち味です。
田中義光さん:
「本当に純粋に小さい頃から手を使って絵を描く事とか工作とかが好きだった、たまたま輪島という所で生まれ育って地域に輪島塗というものがあったと言う事で漆を始めたという感じです。
自分が感じた風景とかその季節感とかそういうものが作品に出るようにはしています」
現在、田中さんは作家活動の傍ら、母校である研修所の講師として、後進の育成に力を注いでいます。大切にしているのは、一人ひとりが持つ「感性」です。
田中さん:
「技術も大事なんですけど作品制作に対する感性を養ってほしいなと思って接しています。すぐに結果の出る仕事じゃないあきらめず粘り強くやって欲しいですね」
能登半島地震から2年4ヶ月。漆芸の世界では高齢化に加え、先行きへの不安から職を離れる若者も少なくありません。それでも田中さんは輪島に留まり、その表現力で、漆の世界と次世代を牽引し続けています。
田中さん:
「今、本当に職人さんも減少して大変な時期なんですけど輪島塗の仕事は本当に素晴らしい世界なのでもっと若い人たちが増えて活気が出ればいいですね」