プレスリリース配信元:ラクスル株式会社
事業成長への危機感が強いほど「攻めの施策」を先送りする逆説 ~中小企業の経営課題に関する実態調査 第2回~
ラクスル株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 グループCEO:永見 世央、以下当社)は、「End-to-Endで中小企業の経営課題を解決するテクノロジープラットフォーム」の構築に向け、全国の従業員数2~100名規模の中小企業の経営者・幹部300名を対象に、中小企業の経営課題に関する実態調査を実施しました。
本調査の結果詳細について、全5回に分けてご紹介します。第2回のテーマは、経営者の「時間の構造問題」です。

■ 調査結果詳細
本調査の第1回では、中小企業の4割が後退局面にあるなかで、施策を打っても成果につながらない実態やその背景に仕組みづくりや時間・リソースを確保できる環境が十分に整っていないという構造的な課題が浮き彫りになりました。
今回、特に「経営者の時間」に焦点を当てて深掘りしたところ、経営者が戦略立案や重要な意思決定に割く時間を十分に確保できていないことが明らかになりました。多くの経営者は、現場への介入と事務・管理業務によって時間を構造的に奪われてしまっているのです。その結果、施策が場当たり的になり、攻めの施策は先送りされ、なかなか思うような成果につながらない悪循環が生じていることが見えてきました。
1. 経営者の時間を奪う、2つの主な原因
「本来、経営者・幹部として注力すべき『戦略立案』や『重要な意思決定』に、理想通りの時間を割けていますか」という質問をしたところ、「あまり割けていない」が40.3%、「全く割けていない」が12.0%と、全体の52.3%が十分な時間を割けていないことが分かりました。本調査では、その主な原因として以下の2つが浮かび上がりました。

原因1.:現場への介入
「経営者・幹部が、現場対応や不足人員の補填などの実務に直接介入せざるを得ない頻度はどのくらいですか」と質問した結果、「ほぼ毎日介入」が13.7%、「週2~3回介入」が16.0%と、全体の3割近くが週複数回以上の頻度で現場に引き戻されていました。
経営者・幹部の現場介入頻度が「ほぼ毎日介入」の層と「ほとんど介入なし」の層で、「戦略立案・重要な意思決定に割く時間」の確保状況を比較してみたところ、十分もしくはおおむね割けている割合が「ほとんど介入なし」では49.4%に対して、「ほぼ毎日介入」ではわずか22.0%と、2倍以上の開きが見られました。

原因2.:事務・管理業務
「事務・管理業務(例:仕入・外注管理、販促物調達、振込・支払いなど)について、経営者・幹部ご自身がどの程度関与されていますか」と聞いたところ、「全て自分が行っている」「大部分を自分が行っている」と回答した割合は37.7%で、「ほとんど行っていない」割合は23.3%にとどまりました。
事務・管理業務に関与している経営者・幹部に対し、「事務・管理業務に、経営者・幹部ご自身が費やしている週あたりの合計時間はどのくらいですか」と質問した結果、週10時間以上を費やしている割合は39.6%にのぼりました。

また、同じく事務・管理業務に関与している経営者・幹部に向けて、「事務・管理業務に、経営者・幹部ご自身の時間を割くことについてどのようにお考えですか」と聞いたところ、「非常に負担で、本来の経営業務を圧迫している」が12.6%、「やや負担だが対応している」が48.3%と、負担に感じている回答の合計は60.9%でした。

これらの結果から、「現場への介入」と「事務・管理業務」の2つが要因となり、本来注力すべき戦略立案や重要な意思決定の時間が構造的に消えていることが考えられます。では、時間の確保が難しい経営者には、どのようなことが起きているのでしょうか。
2. 時間がない経営者に起きること
本来注力すべき業務にあたる時間を奪われた経営者は、必然的に施策の方向性を考える余裕を失っていく傾向が見られます。
実際に、戦略立案や重要な意思決定に理想通りの時間を割けていないと答えた経営者・幹部に向けて、「営業・マーケティングに関する施策が『場当たり的』な設計・実行になりがちだと感じていますか」と聞いたところ、「非常に強く感じる」が15.3%、「やや感じる」が48.4%と、63.7%が施策の方向性が定まらないままに動いていることが明るみに出ました。

このように、経営者の「時間の構造問題」は、事業の成長エンジンとなる土台そのものに影響を及ぼしていることが示唆されます。そして余裕がなくなった経営者には、さらに深刻な事態が起きています。
3. 強い危機感があるのに、「攻めの施策」は先送り
時間を奪われた経営者には、複数の面で「先送り」が生じる傾向が見られます。事務・管理業務に関与している経営者・幹部に対して、「事務・管理業務の負荷が原因で、新規事業や投資判断などの『攻めの施策』を先送りした経験はありますか」と質問したところ、先送りした経験がある割合は67.0%にのぼりました。「何度もある」が6.1%、「時々ある」が43.0%と、その多くは一時的なものではないことが分かります。

また、事務・管理業務について「非常に負担で、本来の経営業務を圧迫している」層では、「攻めの施策」を先送りした経験がある割合が96.6%に達する一方、「負担には感じておらず、特に課題ではない」層では、先送りの経験割合は41.1%にとどまっています。この結果から、事務・管理負担の重さが先送りの有無を大きく左右していることが分かります。

さらに注目すべきは、「危機感が強い経営者ほど、先送りが多い」という逆説です。「今後の事業成長に対して、現在どの程度の危機感を感じていますか」という問いに対し、「非常に強く感じている」と回答した層の先送り経験率は73.1%、「やや感じている」層では80.0%にのぼります。「あまり感じていない」層では41.7%、「全く感じていない」層に至っては0.0%と、危機感の強弱によって大きな差が見られました。
「何かしなければ」という危機意識は持つものの、現場や事務といった業務の負担が重く、時間の捻出が難しいことから、攻めの施策は後回しになるという悪循環が起きていると言えそうです。

4. 「誰が担うか」が、経営者の時間を決める
では、こうした「経営者の時間」の問題はどうすれば解消できるのでしょうか。本調査では、「マーケティング担当者」と「営業担当者」の設置状況についても質問しており、その結果、担い手の置き方が経営者の時間構造に影響していることが示唆されました。
マーケティング・営業のいずれか、または両方に専任担当者を置いている企業では、「戦略立案や重要な意思決定に理想通りの時間を割けている」割合が59.7%、「施策実行後の正確な成果検証まで手が回っている」割合も59.7%となり、いずれも専任担当者がいない企業を大きく上回りました。
一方で注目すべきは、マーケティング・営業のいずれも「兼任担当者のみ」の企業です。「戦略立案や重要な意思決定に時間を割けている」割合は34.4%、「成果検証まで手が回っている」割合は25.0%と、いずれも3区分で最低水準となりました。これらの結果から、単に「担当者がいるか」ではなく、「誰が、どのような体制で担うか」が重要であることがうかがえます。

5. 「経営者の時間がない問題」の構造をいかに断ち切るか
本調査が示す「時間の構造問題」は、「現場介入・事務負担が時間を奪う→戦略を考えられない→施策が場当たり的になる・先送りが常態化する→成果が出ない」という連鎖と考えられるのではないでしょうか。そして、この連鎖を断ち切る起点は「経営者が考える時間を取り戻すこと」であり、そのために必要なのは事務・管理業務と現場対応からの解放です。経営者の負担になっている業務に専任担当を置く、あるいは外部委託・アウトソーシングを活用するなど、「誰がやるか」を設計することが時間の問題を解くひとつの鍵になると言えそうです。
当社は引き続き、本調査で明らかになった中小企業の経営課題について深掘りしてまいります。
第3回では、「人手不足と機会損失の現状」をテーマに、その詳細をご紹介します。
■ 調査概要
調査期間 :2026年2月19日~2026年2月24日
対象者 :従業員数2~100名の中小企業経営者・幹部 300名
調査方法 :第三者機関インターネット調査
■ 利用条件
情報の出典元として「ラクスル株式会社」の名前を明記してください。
■ 本調査の関連リリース
第1回(調査結果サマリー):
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000532.000010550.html
RAKSULグループ 会社概要
当社は、「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」という企業ビジョンのもと、「End-to-Endで中小企業の経営課題を解決するテクノロジープラットフォーム」を目指し、事業運営をしています。
従来の「モノ」を中心とした事業領域にとどまらず、企業経営における「ヒト・モノ・カネ」すべての管理領域でのサービス提供を通じて、日本企業の約99.7%を占める中小企業の包括的な経営課題解決を実現してまいります。
名称:ラクスル株式会社
所在地:東京都港区麻布台一丁目3番1号 麻布台ヒルズ 森JPタワー 19階
代表取締役社長 グループCEO:永見 世央
設立年月日:2009年9月1日
コーポレートサイト:https://corp.raksul.com/
運営サービス一覧:https://corp.raksul.com/services/
お問合せ:https://corp.raksul.com/contact/
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