イクメンパパの人生デザイン

僕はまもなく還暦で定年だが、5歳の娘を妻と育てるイクメンでもある。
人生100年、まだ先は長い。
この連載でこれからの自分の人生をデザインし直してみる。

僕がイクメンであることを知った金融庁の人から子育てについて話しませんかと誘われたので行ってきた。
フジテレビと金融庁はどちらが働くママさんに優しい組織なのだろうか。

金融庁中に貼られていた平井解説委員の講演ポスター
金融庁中に貼られていた平井解説委員の講演ポスター
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結論から言うと、育休はフジが6年なのに対し金融庁は3年。
これはフジの勝ち。
しかも男でも6年休める。
ただ公務員の育休は3年と法律で決まっているので金融庁だけが遅れているわけではない。

金融庁が頑張っているのは、組織横断で「子育てプロジェクト」というのを作り、ちゃんと人事発令していること。
今回の僕の講演もその一環である。
このプロジェクトはこれまで在宅労働について庁内で提言をして採用されるなど成果も出している。
これは金融庁に一本。

つまり引き分けだ。

日本のオヤジたちよ!育児の楽しさに目覚めよ

ただ問題の本質はそこではない。

働くママの仕事復帰は法改正もされて、社会もようやくその気になってきた。
でも最も大きな壁は夫が妻に育児を丸投げする「ワンオペ育児」があまりにも多いという現実だ。

そういうワンオペオヤジが偉くなって企業や官庁で少子化対策や女性の社会参加を決める立場になっても、結局染みついているワンオペ体質からは抜けられない、というのが今の日本ではないか。

ただ僕がなぜイクメンなのかというと、仕事も楽しいが育児はもっと楽しいからだ。
こんな楽しいことが人生にあったのか!
それを全部放棄して、つまらない仕事や嫌な奴との飲み会に行くなんて真っ平だ。

AI時代には男女の賃金格差がなくなりワンオペ育児もなくなるだろう。
夫婦間で夫の育児分担は当然の義務になる。
でも育児は義務じゃない!
本当に楽しいんです。

【執筆:フジテレビ 解説委員 平井文夫】
【イラスト:さいとうひさし】

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平井文夫
平井文夫

言わねばならぬことを言う。神は細部に宿る。
フジテレビ報道局上席解説委員。1959年長崎市生まれ。82年フジテレビ入社。ワシントン特派員、編集長、政治部長、専任局長、「新報道2001」キャスター等を経て現職。