俳優の大東駿介さんが、訪れた街のうんちくや、まだ地元住民にも知られていないような魅力を探す「発見!てくてく学」。

今回訪れたのは、大阪・千日前だ。

お好み焼きにたこ焼きなど、大阪は粉もんの聖地として知られているが、特に千日前はその歴史が古く、関西人なら誰もが知る粉もんの有名店が千日前で創業している。

大東駿介さん:よく来ますね。舞台で大阪来ると体温めるために歩いて、温泉入ってホテル帰る。

今回は「千日前と“粉もん文化”の深~い関係」を大東さんが学ぶ!

■「千房」も「わなか」も千日前創業

大阪は粉もんの聖地として知られているが、特に千日前は歴史が古く、お好み焼き「千房」、たこ焼き「わなか」などの有名店は千日前で創業された。

さっそく街を歩き始めた大東さんは、地元の方に声をかける。

大東駿介さん:千日前って粉もん屋さん多いんですか?

鶴橋から来たという女性は「このへんよくありますよ」と即答。

しかし、なぜ千日前に粉もん屋が多いかは「知りません」とのこと。

さらに聞くと、自分でお好み焼きを毎日作って食べた結果15キロ太ってしまい、今は粉もんを控えているという衝撃のエピソードが飛び出した。

大東駿介さん:そんなときに粉もんの話してごめんなさいね…。

千日前
千日前
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■出汁にこだわるたこ焼き店「しばいたろか!!」で舌鼓

千日前を少し歩けば、粉もんの店がすぐに見つかる。

大東さんが最初に立ち寄ったのは、千日前に出店して3、4年というたこ焼き店「しばいたろか!!」だ。

お店の方が自信を持っておすすめするのは塩味のたこ焼き。
出汁の配合に何度も味見を重ねてこだわっているため、塩で食べてほしいのだという。

大東駿介さん:ほんまに出汁しっかり効いてる。

ホタテなど魚介類の出汁を使っているといい、塩味と甘みのバランスが絶妙だと大東さんは絶賛した。

大東さん絶賛
大東さん絶賛

■昭和21年創業「おかる」が語る“粉もん文化の原点”

続いて大東さんが訪れたのは、いかにも歴史がありそうなお好み焼き店「おかる」。

戦後間もない昭和21年(1946年)に創業した、粉もん激戦区・千日前でも老舗の1つに数えられる名店だ。
二代目の安達佳代子さんが迎えてくれた。

千日前に粉もん屋が増えた理由を尋ねると、安達さんは「終戦で『これからは食べ物の時代や』って言うて」と先代の言葉を紹介した。

道頓堀には芝居小屋や映画館が立ち並び、西日本でも指折りの歓楽街として人が集まっていた千日前。飲食店も自然と増えていった。

中でも粉もんを始める人が多かった理由について、安達さんはこう語る。

安達佳代子さん:粉もんは“安い”んです。安いし美味しい。

原価率が低く、素人でも始めやすい。
家の軒先でお好み焼きやたこ焼きを売る店が増えていったのだそうだ。

昭和初期の千日前
昭和初期の千日前

■押して、蒸して、ふわっと仕上げる「おかる流」の焼き方

「おかる」のお好み焼きには、独自の焼き方がある。
コテで返したあと、かなり強く生地を押すのだ。

大東駿介さん:結構押しましたよ!

安達佳代子さん:コレがうちの流儀。押して空気を抜いて、蓋をして、熱い空気をガッと入れたらフワッと。

大東駿介さん:ええな、全部関西やな!関西色強い説明や。

強く押すため、お店のコテは曲がっているのだ。

蒸し焼きにしたあと2種類のソースを塗り、さらにマヨネーズで通天閣などの絵を描くサービスも。
始めたのはおよそ30年前で、SNSがなかった時代から「映え」を意識した粋なサービスだ。

実食した大東さんは「ほんまにウソみたいにふわふわやで」と感動!
外側は薄いサクサクの層があり、中はふんわり口の中でほどけるような食感だ。

「おかる流」の焼き方
「おかる流」の焼き方

■道具屋筋が支えた粉もん文化「ステンレス製コテ」誕生秘話

千日前に粉もんが根付いた理由は、歓楽街という立地や原価率の低さだけではない。すぐ近くにある「道具屋筋」の存在が大きかったのだ。

安達さんによると、業務用の専門的な調理器具が何でも揃う「道具屋筋」があったからこそ、飲食店を始めやすい環境だったという。さらに驚きの事実も飛び出した。

日本で初めて“ステンレス製のコテ”を作ったのが「おかる」だと言われているのだ。
もともとアルミ製だったコテは素材が柔らかく、強く押すと曲がってしまう。
そこで道具屋筋にあった金物屋に特注でステンレス製のコテをオーダーしたのだとか。

大東駿介さん:近所に金物屋さんがあったからできたこと!店を始めるための器具が手に入りやすい環境だった。

ステンレス製のコテを初めて作ったという
ステンレス製のコテを初めて作ったという

■たこ焼き「わなか」の銅板もすべて道具屋筋で発注

大東さんが舞台の差し入れに山ほど買っていたというたこ焼き店「わなか」も、創業当時から道具屋筋にお世話になっている。

わなかの全店舗で使われている銅板は、市販のものより穴の数が多いオリジナルの器具。
各レーンに1つずつバーナーが付いた特注の構造で、焼きムラが出ないよう設計されている。
さらに四隅の足は高さ調整が可能で、屋外出店時に水平を保てるよう細かくカスタマイズされているのだ。

すべて道具屋筋と相談しながら作り上げたもので、粉もん店と道具屋筋の「持ちつ持たれつ」の関係が浮かび上がる。

わなかの銅板は特注
わなかの銅板は特注

■ゑびすや金物店 2万点の品揃えと「ないとは言わない」精神

わなかに教えてもらい訪れたのは、道具屋筋で88年続く「ゑびすや金物店」。
三代目の柴田昌功さんが出迎えてくれた。実は柴田さんの実家は、先ほど訪れた「おかる」。お好み焼き屋の息子が金物店を継ぐという、千日前ならではの縁だ。

大東駿介さん:おもしろ!じゃあ子供の時から千日前で育ってたんや。

柴田昌功さん:千日前で縦笛吹いて一輪車乗って学校行ってました。

大東駿介さん:おもしろ!『じゃりンこチエ』みたいな話やな。

店内にはおよそ2万点もの商品が並ぶ。コロナ禍には「自宅でお好み焼きをしたい」という需要が高まり、業務用の鉄板テーブルが飛ぶように売れたという。

大東駿介さん:2026年、今一番ほしいのこれかも!

衝撃の事実
衝撃の事実

■たこ焼き器は3万円台!粉もんが広がった理由

ゑびすや金物店では、たこ焼き調理器が、ガス器具と鉄板4枚付きでなんと「3万円台」という驚きの価格で販売されている。

柴田正則さん:本当に気軽に(たこ焼き店)始められます。

大東駿介さん:必然的に粉もん屋さん発展するわ…。

一方、今大人気のベビーカステラの焼き器は60万円。銅板を1つ1つ叩いて作るため常に入荷待ちで高額になるのだそうだ。

何も作り方を知らない若者がベビーカステラの焼き器を購入し、2週間後に奈良のイベントに出店したところ、2日間で60万円を売り上げて元を取ったというエピソードも飛び出した。

大東駿介さん:材料費が抑えられるところもあるけど、金物屋さんでこれだけ初期投資安く済むんだとしたら、そりゃ粉もんやるわ。

大東さん衝撃
大東さん衝撃

■「ないもん売るのうがゑびすや」

ゑびすや金物店のポリシーは「ないもん売るのうがゑびすや」。

お客さんに「ない」とは言いたくないという心意気で、ニッチな商品まで揃えてきた。最近ではタンドリーチキンやナンを焼く専用の窯(約16万円)も入荷している。

大東駿介さん:大阪といえば粉もんの町。ルーツは千日前にあって、『なんとなく広がったのかな』って勝手に思ってたんですけど、そうじゃなくて、人が集まるこの環境があって道具屋筋があって、それぞれが支え合いながら時代背景も含めて育っていった。

関西らしさのルーツ、そして商売人の文化の歴史を学んだ大東さんだった。

(関西テレビ「newsランナー 大東駿介の発見!てくてく学」2026年4月9日放送)

粉もん文化支える「道具屋筋」
粉もん文化支える「道具屋筋」
関西テレビ
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