井川線の観光列車化を予定している大井川鉄道。大幅な値上げや突然の発表に地元では困惑が広がる中、5月8日、地元町議や観光関係者への説明会が開かれました。
8日午後、大井川鉄道が開いた井川線の観光列車化への説明会。
出席した静岡県川根本町の町議や観光関係者などは一様に厳しい表情を浮かべていました。
川根本町の千頭駅から静岡市葵区の井川駅を結ぶ井川線。
一部の区間では2本のレールの間に歯車のレールが敷かれ、アプト式列車が走る国内で唯一の路線です。
また、湖の上にある奥大井湖上駅など、列車自体が観光目的にもなっています。
一方で、大井川鉄道によりますと過去15年、井川線の定期券の購入はゼロ。
観光向けに特化し、収益の改善を図ります。
観光列車化に伴い、井川線は1回の乗車で3500円に。
これまで千頭駅から井川駅までは1340円でしたが約2.6倍になります。
ただ、地元住民には2年間有効のフリーパスを1000円で発行するほか、1日1往復は普通乗車券で利用できる列車を走らせるということです。
地元住民:
(観光客が)いつものように来てくれればいいけど、それでガクッと落ちてしまうとそれはそれで痛い
大阪からの利用者:
確かに高くなるので(急遽)乗りに来たんですが、実際乗ってみると(値段が)かかるだろうなと。維持費と人件費と考えたら
この観光列車化に地元・川根本町の町議会議員の大半が「説明不足」と反発。
さらに…。
川根本町議会・中原緑 副議長:
看過できない記述がございましたので強く抗議いたします
7日は鳥塚亮 社長が個人のブログに載せていた文章について、謝罪などを求める抗議状を大井川鉄道に提出。
「ふだん田舎の山の中で生活している人たちにも理解していただくことは難しい」などと書かれていたことが「差別的な表現で看過できない」と主張しています。
地元側との溝が深まる中で開かれた8日の説明会。
鳥塚社長はまず、説明不足だったことやブログでの発言などを謝罪した上で「井川線の未来を考える機会にしたい」と話しました。
大井川鉄道・鳥塚亮 社長:
井川線はどうなるのかを一緒に考えていただきたい
ローカル鉄道の“再生請負人”ともいわれる鳥塚社長。
これまでの取り組みを紹介するとともに、地元と一緒に歩む観光列車化が地域振興につながると理解を求めました。
納得した出席者もいたということですが、出席した町議は改めて苦言を呈しています。
川根本町議会・中原緑 副議長:
会議の場を設けてコンセンサスをとっていくことが必要ではないか
大井川鉄道の鳥塚社長は6月1日から予定していた井川線の観光列車化の開始時期について、改めて検討していくと話しています。