人口減少や建物の老朽化などに伴い全国で空き家の数が増えていて、全国的な課題となっています。
老朽化した空き家は地震や台風で倒壊しやすくなるほか、火災が起きたときも延焼する危険性が高くなります。また、空き家がクマのすみかになってしまうケースもあり、空き家の増加が地域の安全を脅かす事態にもつながります。
秋田県内で最も人口が多い秋田市でもその数は増えていて、市が2025年に行った実態調査では、4916戸の空き家があることが判明しました。このうち管理が不適切な空き家は約3割、その中で危険な空き家は1割弱でした。
こうした状況を改善しようと2026年、空き家などを利用して新しい暮らしの場をつくる不動産店を開業した男性を取材しました。
秋田市保戸野に2026年2月に開業した不動産店「あきた~(から)ふどうさん」。代表を務めるのは、秋田市出身の南雄太さん(26)。大学卒業後、大手不動産会社で3年半勤務し、2025年10月に地元に帰ってきました。
あきた~ふどうさん・南雄太さん:
「友人がAKITA “KARA”の代表をしていて、毎月定期的に連絡を取る中、仕事で悩んでいる時に話をして『秋田に戻ってきたら』と言われ、不動産の仕事をしようと戻ってきた」
AKITA “KARA”は、秋田から面白いことを発信しようと3年前に立ち上げられた若者たちのグループです。
南さんに声をかけた代表の鷲谷建さんは中学の同級生で、秋田に起業家を増やす創業支援や様々な働き方を提案する就業支援をしています。
また、地方への移住を考えるワークショップや秋田のモノや魅力を紹介する冊子を作るなど様々なイベントを開いていて、学生から社会人に至るまで幅広い年代が参加しています。
AKITA “KARA”の拠点は空き店舗をリノベーションした交流スペースで、誰もが自由に使えるため、ここでの会話から新しいアイデアを得ることもあります。
南雄太さん:
「空き家だったがリノベーションして、ここで話をし、仕事をするのがすごく楽しいと思っている。街を新しく刷新していくのではなくて、使えるものは使っていきながら、自分たちがどう面白く暮らすかという発想が大事だと思う」
開業して約3カ月。不動産店では主に、市内の保戸野地区の空き家や空き店舗などの活用を企画・提案しています。
今は活用できる物件を確保している最中で、欠かせないのが“地域の散策”だと言います。
南雄太さん:
「古いアパートや、長年放置して部屋もクリーニングせず残っている物件は結構あると思う。そういう物件を探している。その物件が生まれ変わって、新しい人が使う。その人たちが好きな部屋の世界観をつくれるので」
秋田市は2025年7月、市内全ての町内会を対象とした空き家の実態調査を行いました。調査の結果、回答が得られた全964町内のうち、789の町内会だけで4916の空き家が確認されました。
南さんは、こうした空き家・空き店舗を価値あるものに作り変えていきたいと話します。
南雄太さん:
「最近は空き家が取り沙汰されると思うが、空き家だけではなくて、空きアパートや空き地も含めて物件には魅力があることを伝えていきたいと思っている。秋田での面白い物件を紹介していきたい」
まずは会社のある保戸野地区に住む人を増やし、ワクワクする場所をつくっていきたいと話す南さん。今は見逃されている空き家や空き店舗から、魅力ある暮らしの場が生まれていくかもしれません。