わずか2回のタップで送金。
PayPayに誘導して不正に送金させる“詐欺メール”が急増しています。

5月上旬、番組スタッフのもとに届いたメール。
差出人は「日本年金機構」とあり、文面には「差押予告通知書」と記載され、「期限までに未納保険料1万8500円を納付しない場合、財産を差し押さえる」といった不安をあおる内容が並んでいました。

番組スタッフには、5月3日から日本年金機構をかたるメールが9件届いています。

その決済手段に指定されているのがPayPayでの送金です。

リンクをタップすると本物のPayPayアプリが起動し、送金画面に誘導されます。
送金相手のアイコンには年金機構のロゴマークを使用する精巧な偽装も。

本物だろうと安心して送るボタンをタップしてしまうと、詐欺アカウントに送金されてしまう仕組みです。

こうした事態が相次いだため、日本年金機構は7日、ホームページで「日本年金機構ではメールで支払いを促すことはありません」「絶対にアクセスしないでください」と不審なメールなどへの注意を呼びかけました。

PayPayに誘導する悪質な詐欺メールは年金機構だけでなく、SNS上では、実在する企業などを名乗りクレジットカードの利用料金やスマホの通信料金の請求を装うなど同様の報告が相次いでいます。

「イット!」は詐欺メールの被害に遭ったと訴える女性を取材しました。

地下アイドルとして活動する七草いのりさん。
4日にキャッシュレス決済の後払いの請求を装うショートメッセージが届いたといいます。

被害にあったと訴えるvVibe!七草いのりさん:
払ってないのあるのかな…と思って。支払い画面にきちゃって、ボタンを押したら払っちゃってて。

送金画面が出てきて、焦って考える余裕もなく送金をしてしまったといいます。

被害にあったと訴えるvVibe!七草いのりさん:
3万7168円です。支払ってちょっとしたら(だまされたかもと)気付きました。

そして送金後、しばらくたつと送金相手のアカウント名が変わっていたといいます。

ITジャーナリストの三上洋さんは、その危険性と対策について、「2クリックで送金まで行ってしまうという、比較的新しい手口といえます。もしこれ送ってしまった場合は取り戻すことはほぼ不可能です。メールアドレスの後ろ、ドメインの部分を見れば全く関係のない組織だということが見えています。本物かどうか確かめることで判別することは可能です。そもそもメール・ショートメールのリンクは押さない。気になる内容は公式に問い合わせる」と述べ、注意を促しています。

詐欺に悪用された「PayPay」は、番組の取材に「事態を把握し警戒を強めている」としたうえで、「警告メッセージの掲出、不審な取引の特徴を捉え、送金ブロックや疑わしいユーザーの取引を制限するなどの対策を講じております」とコメントしています。

ユーザー自身が操作して送金した場合、補償は対象外とのことですが、不正に気付いたらPayPayに通報するよう呼びかけています。