兵庫県警の公式アプリに、ことし3月以降、毎日のように出ている「サルの目撃情報」。神戸市の北区や西区、須磨区、垂水区などの市街地で69カ所。明石市、加古川市、高砂市で8カ所、姫路市などの播磨地域で67カ所に上っています。

取材班が調査すると、サルの特徴が似ていることから同じ個体が神戸から姫路方面へ西へ西へと移動している可能性があることが分かりました。

専門家によると、オスのニホンザルは秋にメスと交尾した後、新たな群れを探すということで、1匹で「ハナレザル」として放浪している可能性が高いということです。

人里近いエリアに出没するのはまれですが、専門家は「人里でおいしいものが食べられると学習して人里に住みつくサルもいる」と指摘。遭遇した際の対処方法も解説しました。

■サルに遭遇した人に話を聞くと…

取材班は各地でサルに遭遇した人に話を聞くことができました。

神戸市西区でことし3月にサルに遭遇した秋定智子さんは「こんなとこに珍しい…と撮ってたんですけど、攻撃してきたんですね」と当時を振り返ります。

【秋定智子さん】「(サルが)わ~って来て、こけてケガして…」

また、加古川市で犬の散歩中にサルに遭遇した人は、遭遇したサルは飼い犬の柴犬よりも「明らかに小さい感じ」だったと話します。

【サルに遭遇した人】「見たらすぐに逃げていくという状態。小学生たちが下に歩いている(電線の)上にいた。電柱から電線渡って」

動画が撮影された同じ日、加古川市では小学生がサルに頬を引っかかれケガ。先月28日には姫路市で女性会社員が腕をかまれて軽傷を負いました。

■「1匹の同じサル」が神戸から50キロ以上離れた姫路まで大移動?

これまでにないペースで相次ぐサルの目撃情報。取材班が出没エリアと日付をたどると、“ある事実”が見えてきました。

神戸市では3月初旬から目撃が相次ぎ、先月11日でピタリと情報がなくなります。

その翌日からは、明石→加古川→高砂と西へ西へと移動。4月15日から5月6日までは姫路など中播磨地域に集中しています。

■姫路市でも相次ぐサルの目撃情報

もしや、“1匹の同じサル”が神戸から50キロ以上離れた姫路まで大移動しているのでしょうか。“サルの正体”を探るため、取材班は姫路市へ向かいました。

【サルを見た人】「人力車で走ってたらお客さまと一緒に、サルが走り回る姿を見て…」
【サルを見た高校生】「小さいこんなサル…(見たこと)あります」

加古川で見た人と同じく「小さいサル」との情報が!

さらに姫路市の職員からも…

【姫路市・鳥獣対策担当 岡本興亮さん】「サルがいたずらをしてたらしくて(市民から)情報を聞いてた時に後ろを見たら車の上にサルがいたんです」

映るのは確かに「1匹」。商業施設に先月半ばからほぼ毎日現れているそうで、姫路市は猟友会の協力を得て施設の駐車場に「わな」を仕掛けたおりを先月28日に設置しましたが、まだ一度もかかっていません。

■ついにサルを発見!堂々と民家の屋根でくつろぎ…一瞬にして姿を消す

サルを探し続けた取材班。ついにサルを発見しました。

【記者】「いたいたいたいたいた!逃げた逃げた逃げた」
【カメラマン】「どこどこどこどこ?」
【記者】「あっちあっちあっち!いたいたいた!上ってる?やばいやばい」

見つけたのは1匹だけで行動する小柄なサル。我が物顔で堂々と民家の屋根でくつろいでいました。

その後、屋根から塀に移ってバランスよく歩き…車のボンネットを踏み越えて移動。木の実をパクリと食べた後、一瞬にして姿を消しました。

■兵庫県内の市街地に現れたサルは「同じ個体の可能性が高い」と専門家

神戸や加古川で目撃されたのはこのサルなのでしょうか?

サルを研究して20年の三木清雅さんに話を聞きました。三木さんは農水省の鳥獣被害対策アドバイザーに登録され、全国のサル問題解決に向けたサポートを行っています。

まず、姫路に出没したサルを確認してもらいました。

【三木清雅さん】「まだ小さいですね。4歳前後だと思う。オスですね。睾丸の色がまだ白いので大人になると赤くなってくる」

次に神戸に出没したサルを見てもらうと「ガタイもやっぱり華奢、この子も若い個体だと思う」と話し、神戸と姫路に現れたサルについて「(特徴は)かなり似ている。性別も見えたのは全部オスだったので、同じ個体の可能性が高いかなと」述べます。

(Q:サルはそんなに動ける?)
【三木清雅さん】「動きます。これまでの調査でも直線で100キロ動いたという事例がある」

やはり同じサルが神戸から姫路へと大移動した可能性が高いという見解でした。

■“ハナレザル”とは

しかし、基本的には群れで行動するというサル。いったい1匹だけで何のために大移動をしているのでしょうか?

【三木清雅さん】「新しい群れを探すために“ハナレザル”として、うろうろしている。大人になったら人が家を出るみたいなもの」

オスのニホンザルは交尾をする秋にはメスを求めて群れに近づき、春以降は別の新たな群れを探すため「ハナレザル」として放浪するのです。

■サルに遭遇したらどうしたらいい?

サルは本来、人を恐れ、市街地に出没するのは稀です。なぜ今回、このような事例が起きているのでしょうか。
    
【三木清雅さん】「人里でおいしいものが食べれると学習して人里に住みついたサルが増えている。家庭菜園の野菜類も大好きなので」

先月15日から半月以上、姫路市付近にいるとみられるこのサル。一体、いつまで居座るのでしょうか?

【三木清雅さん】「いつになるかはわからない。サルの気まぐれ。また別のところで同じように悪さする可能性はある」

もしサルに出合ってしまった時はどうしたらいいのでしょうか。

【三木清雅さん】「見ながら下がって距離をとる。目を見続けるとサルも威嚇してるのかなと思う。ちょっと目をそらしながら、でも正面は向いた方が良い」

サルが見えなくなるまでゆっくり距離をとることが大切だそうです。

どの街でも出合う可能性があるハナレザル。特に女性や子供は狙われやすいといい、注意が必要です。

(関西テレビ「newsランナー」 2026年5月7日放送)

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