「ハンタウイルス」の集団感染が疑われるクルーズ船は現在、スペイン領・カナリア諸島に向かっています。

地元は受け入れに反対していて、住民からは不安の声が上がっています。

日本人1人を含む約150人を乗せ、スペイン領・カナリア諸島に向かっているクルーズ船「MVホンディウス号」。

このクルーズ船内で、これまでにハンタウイルスへの感染確認と疑い例は8人で、このうち3人が死亡しました。

4月12日、前日にオランダ人男性が死亡したことを受けて、船長が乗客に説明を行う様子が船内で撮影されていました。

船長:
昨夜、乗客の1人が突然お亡くなりになりました。悲劇的な出来事ではありますが、自然死であったと私たちは考えています。

さらに船長は、男性の死因は「感染性のものではなく、船は安全だ」と強調していました。

運航会社によりますと、死亡したオランダ人男性がハンタウイルスに感染していたかどうかは確認されていません。

しかしその後、妻が死亡し感染が確認されました。

動画を撮影した男性は、「感染症の可能性について知らされていなかったため、誰もがリラックスしていました。食事は毎回ビュッフェ形式で、マスクをしている人は誰もいませんでした」と話します。

クルーズ船はアルゼンチンの港を4月1日に出航し、南極やいくつかの孤島などを訪れ、アフリカ西部の島国・カーボベルデ共和国に向かっていました。

ハンタウイルスはネズミなどが保有するウイルスで、ネズミにかまれたり、乾燥した排せつ物を吸ったりすると感染する恐れがあります。

WHO(世界保健機関)などによりますと、確認されたのはアルゼンチンやチリなどで報告されている「アンデス型」のハンタウイルスだということです。

ヒトからヒトへの感染拡大も疑われる中で、スペイン領・カナリア諸島に向かっているクルーズ船。

地元の知事は船の運航会社から、カナリア諸島最大の島・テネリフェ島への入港要請があったと明らかにしましたが、受け入れに反対しています。

FNNは日本時間の7日、そのテネリフェ島に入りました。

クルーズ船の受け入れについて住民に聞くと「大事にはならないだろうと言われているが、地元は怖さを感じている」「迅速に対応すれば影響は大きくないと思う」などと話しました。

また、日本で暮らしたことがあるというテネリフェ島在住の女性からは「テネリフェは市民が多いが、(大規模な)病院が2つしかない。コロナみたいなパンデミックになったら、それは大心配です」という声が聞かれました。