今回のNPT再検討会議には被爆者をはじめ、長崎市長や若い世代が海を渡り、核兵器廃絶を訴えました。
現地で会議を傍聴する専門家は、被爆の実相を直接伝えることは意義があると評価しています。
長崎大学 多文化社会学部 西田充 教授
「外交官たちには一定のインパクトを与えることはそれは間違いないと思う」
「(すぐに政策変更はできないが)外交官の心に残ると思う。ああいった活動は続けていく必要がある」
元外交官で、長崎大学の西田充教授です。
NPT再検討会議を現地で傍聴していて、国連ロビーでの「原爆展」や胎内被爆者の演説について、被爆者が高齢化する中、次の世代への「移行・変化」の時代を感じさせるといいます。
西田教授
「(胎内被爆者の)浜住さんご本人も(被爆は)記憶にはない。それでもあれだけのインパクトのあるメッセージを送ることができたというのは今後につながるのではないか」
過去2回決裂した会議は、今回も冒頭からアメリカやイラン、ロシアなど参加国同士の対立が取りざたされています。
しかし、西田教授の目に映る会議は少し違った様相です。
西田教授
「今回はNPT体制の正念場と言えるような再検討会議だと思うが」
「全体としてあまり緊張感がないというか若干薄い」
アメリカやイスラエルによるイラン攻撃についても、参加国から直接の非難はほとんどないとのことで、このまま会議を空転・決裂させずに、各国がNPT体制を最低限維持する意思を表明できるか。
西田教授は今週以降の会議のポイントをこのように指摘しています。
西田教授
「最低限合意できるようなところだけに焦点を当てる。特にNPT体制の維持ということについては、どんなに立場が違ってもそこは最低限やるべきだ」
「合意の可能性を見つける意欲や意思があれば(合意は)可能だと思う」
会議は5月22日までで、「最終文書」の採択には参加国の全会一致が必要です。