連休はサクラを見て楽しむ人が多い中、老朽化するサクラの保全が全国的に課題となっている。
北海道内を代表する桜並木でも取り組みが進む。

直線道路の両脇に約2千本が咲き誇る日本屈指のサクラの名所、新ひだか町の「二十間道路桜並木」。
小樽市から来た祖母と孫は…
「何十年も前から時々来ています。見事ですよ!」(祖母)
「つぼみもあるけど咲いているのが多くて良いと思います」(孫)

全長は7キロ。
道幅が昔の単位で「二十間」、36メートルあることからこの名前が付けられた。
「きれいだね!」(釧路からの観光客)
記録的に早くサクラ前線が到来したこの春。
美しさの陰では異変が起きていた。

「道庁前庭の桜の木ですが、幹が折れて満開の桜が池に倒れています」(小出昌範ディレクター)
老朽化するサクラの倒木。
4月下旬には道庁の前庭でも直径50センチほどのサクラが無残な姿となった。

「二十間道路」でも…
幹から伸びた枝が支柱に支えられギシギシと音をたてている。
「ひび割れが入ってきて、放っておくと裂ける危険性がある木が存在します」(新ひだか町まちづくり推進課 佐藤智文さん)

それだけでなく…
「中が大きく空洞化している。二十間道路の桜がかなり高齢化している」(佐藤さん)

木々の高齢化。
元町職員で並木の写真集を出版し、保全活動もしている谷岡隆さんにこのサクラ並木の歴史を聞くと…
「桜並木ができたのは大正5年から7年です。町全体で色々な人が駆り出され3年かけて約2000本の桜を植えた」(しずないさくらの会 谷岡隆会長)

明治初期に皇室用の馬を育てる宮内省の「御料牧場」が造られた新ひだか町。
皇族を迎えるため整備されたのが、「二十間道路」とサクラ並木と言われている。
「町の宝。私たちが守り育てていかなければならない」(谷岡さん)
サクラの寿命が60年~80年と言われる中、すでに並木造成から100年が経過している。

町では並木の保全のために、毎年特別な予算を組んで対応しており、2024年は約2400万円を投じた。
並木の維持管理や樹木医による診断など、保全には費用が必要…
そこに救いの手が差し伸べられた。

「人口減少や資金不足を背景に、桜や花火大会といったものが失われつつある。その日本の風物詩に恩返しをしたい」(キリンビール マーケティング部 村井志帆さん)
大手ビールメーカーが2年前からサクラ並木の保全や、花火大会の運営費に悩む自治体に、売り上げの一部を寄付する取り組みに乗り出しているのだ。
「ビールは昔から花見や花火大会といった日本の風物詩と共に楽しまれてきた。サクラの周りにある人と人とのつながりや笑顔を100年先もつないでいきたいという思いで支援している」(村井さん)

各都道府県から2か所。
2026年は千歳市も選ばれた。
各自治体への寄付は約100万円になる見込みだ。
「多くの人に支えられ二十間道路がある。無駄にはできない。今後はさらに良いものにしていきたい」(佐藤さん)

「お金をかけてでも直して、新しい木を植え、綺麗な桜が毎年見られるようにしたい」(新ひだか町民)
長い歴史を誇る美しいサクラ並木。

国内屈指の光景を守る取り組みはこれからも続く。
「木が1本1本大きいですよね。大事に守ってきたから、こんなに大きなサクラになっていると思う。町の人は大変と思うが、できれば頑張って残して、来年も再来年も見られたらと思う」(観光客)