告示まで2週間を切った新潟県知事選挙。争点の一つとなるのが柏崎刈羽原発の再稼働をめぐる花角知事の発言です。8年前の知事選から繰り返してきた「県民に信を問う」という言葉が議論を呼んでいます。

■花角知事 再稼働容認判断めぐり“県議会”に信任・不信任諮る

4月16日に営業運転に移行した東京電力・柏崎刈羽原発6号機。

【柏崎刈羽原発 稲垣武之 所長】
「大きな事故を福島第一原発で起こした当事者。その反省と教訓は決して忘れることなく、今後、安全最優先で運転を続けていく」

福島第一原発事故後、初めて東京電力が原発の営業運転を再開させました。

この原発の再稼働にあたり“地元同意”が求められていた新潟県。

【花角知事】
「しっかり熟慮して一定の決断を下し、県民に職を賭して信を問う。安全性がしっかりと検証されて、かつ県民の納得がない限り動かしません」

現職の花角知事は8年前の知事選初挑戦のときから、原発の再稼働については自身で判断を下し「県民に信を問う」と繰り返してきました。ただ、その方法をめぐっては…

【花角知事】
「『信を問う』という言葉は想像できるものがありますよね。何度も申し上げている『信』という言葉を使えば信任・不信任ですよ。存在を賭けるということ」

明言を避け続けた花角知事。去年11月に柏崎刈羽原発の再稼動を認める判断を下すと…

【花角知事】
「そろそろ結論を出さなければいけないという中で県議会に信任・不信任をお諮りする方向が適切だと判断した」

選挙ではなく、再稼働容認の判断を下した自身の信任・不信任を県議会で諮ることを選択しました。

■“信を問う”めぐり土田竜吾県議が追求

県が実施した意識調査では県民の6割が再稼働の条件は整っていないと回答する中、再稼働容認の立場の自民党が単独過半数を占める県議会で「信を問う」とした花角知事。

この議会で花角知事を追求したのが、知事選への出馬を表明することになる土田竜吾県議です。

【土田竜吾 県議】
「現状に対して、ある意味議論を打ち切って再稼働の理解に了解するというのは、この理由を出すというのは、私は不適切だと思うんですけれども」

【花角知事】
「行政の姿勢としてここまで材料がそろい、判断が行われたのであれば、ここは速やかに事態を動かしていかざるをえないというふうに思っています」

【土田竜吾 県議】
「もう政治判断だということだと思いますので、県民に信を問うというところの原点に立ち返ってもらって、しっかりと責任を果たしていただくことを強く要望する」

しかし、県民が住民投票や選挙などで直接意思を表明する場は設けられず、花角知事を信任する付帯決議案が賛成多数で可決され、国に再稼動の了承が伝えられました。

■土田竜吾県議 原発に対する県民の不安に寄り添う県政を

今回の知事選でこの花角知事の政治姿勢を批判する考えの土田県議。

【土田竜吾 県議】
「県民に信を問うと言いながら、県議会に信任・不信任をうかがうという形で進められてしまった。これはやはり約束違反じゃないですかと。これからの県政、しっかりと約束を守る、県政皆さんの不安に寄り添う県政に転換していかなければいけない」

そのうえで「花角県政の信を問う」選挙と位置づけます。

【土田竜吾 県議】
「雪のときの避難の課題だったり、東京電力が運転することへの適格性の不安だったり、様々な不安な思いをお持ちの方が県内にたくさんいらっしゃるというのが現状」

自身は原発に対する県民の不安に寄り添う県政を行っていくと主張。避難道路の整備など安全対策に力を入れ、さらに東京電力へのチェック体制も強化すると話します。その一方で…

【土田竜吾 県議】
「いま動いているものに対して停止をする権限というのが、新潟県が持っているという状況ではなかなかないというところでもあるので」

すでに再稼働した柏崎刈羽原発6号機の停止などには踏み込まない考えです。これに対して…

【安中聡 氏】
「この原発への反対、原発の廃止、そして県民投票条例の制定。これを県民の皆さんに訴えていきたいというふうに考えている」

■安中聡氏 “反原発”訴え県民投票条例の制定目指す

立候補予定者の中で唯一、反原発を掲げているのが元五泉市議の安中聡さんです。

福島第一原発事故の収束は見通せず、国際情勢も不安定さを増す中、いつ起こるかわからない地震の不安におびえながら原発を動かすのは危険だと指摘します。

【安中聡 氏】
「私が当選するということは、原発廃止を願う方が出て、それで当選するという話になるから、県民の声を十分に聞いているということになる。前の知事の決断というのは間違っていたのだから、それは今回動かしている柏崎刈羽原発というのは止めていただきたいというのを率直にお話しさせていただく」

さらには、いずれ原発推進の知事が再び就任した場合に備え、県民投票条例の制定を目指します。

【安中聡 氏】
「県民の声をちゃんと聞かなきゃだめなんだというような土壌づくり。これも並行してやらなくてはいけない」

■花角知事「私が取り組んできたこと評価を」

「信を問う」としてきた自身の発言をめぐり批判の声が上がる中、当の花角知事は…

【花角知事】
「県民の原子力発電に対する理解が十分ではない」

来県した赤沢経産大臣に原子力発電に関する県民の理解促進の国の取り組みを改めて要望。ただ、ほかの候補予定者が原発の再稼動プロセスを争点化したいのに対し…

【花角知事】
「私がやってきたこと、取り組んできたこと、その全てを評価していただきたい。これを一貫して申し上げている」

果たして今後の県政の舵取り役を任されるのは誰になるのか。知事選は5月14日告示、31日投開票です。

NST新潟総合テレビ
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