5月1日にオープンした宮城県富谷市の複合図書館「ユートミヤ」の入口に設置されているロゴマーク。丸みを帯びていて親しみやすいデザインです。
このロゴをデザインしたのは、難病を患いながらもデザイナーとして活動する男性です。
富谷市に住む幸谷圭都さん、27歳。フリーのデザイナーとして、活動しています。
幸谷圭都さん
「手元のタブレットを使ってそれをパソコンに移して描いている。筋力が弱くて手があまり動かないという状態であっても、こうやって力を入れずにできて簡単に描けますね」
幸谷さんは、指定難病、「筋ジストロフィー」を患っています。
幸谷圭都さん
「今は電動車椅子を使っているが、だんだん進行して筋力が低下する病気です」
異変を感じたのは、小学生の時でした。
幸谷圭都さん
「一番感じたのは『歩きにくい』。歩く筋力が低下して、よく転んだりというのが、起き始めました。小さい頃はできていたことができなくっていくことに、怖さを感じていて、ネガティブな気持ちはあった」
病気の進行に伴い、車椅子での生活を余儀なくされる中、熱心に取り組んだのが、デザインでした。
元々、工作や美術が好きだったという幸谷さんは、進学した宮城大学で、本格的にデザインの勉強を開始。思うように体が動かない中でも、「自分の想像を形にすること」が抱えていた不安を少しずつ、打ち消してくれました。
幸谷圭都さん
「成長していく上でそれ(怖さ)がどんどん薄れていって『今は楽しければいい』とか、『あすまでどうにか頑張ればいいかな』とか軽い気持ちで考えるようにしています。なので今は楽です」
大学院卒業後に、フリーのデザイナーとして活動をはじめ、これまでに、11のロゴをデザインしてきました。
その中のひとつが、「ユートミヤ」のロゴです。97の応募の中から、幸谷さんの作品が選ばれました。
幸谷圭都さん
「公共施設というところで、『親しみ』が一番大事と思ったところと、未来に向けて続いていってほしいなっていう気持ちがあったので、未来感というところでロゴの丸さとか線の細さを意識してデザインしました。どう使われているも全く見ていないので、ちょっと緊張しています」
そして、オープン日…
幸谷圭都さん
「おっこれかぁ!へ~こんなに大きな施設なんだ」
オープニングセレモニーに招待された幸谷さんが初めて施設を訪れました。
デザインしたロゴは、施設の入り口にありました。
幸谷圭都さん
「あっ!こんなところに!目立つところに!やはりうれしいですね。こんなきれいな施設に置いてもらって、ちょっとワクワクしています」
館内は段差が少ないバリアフリーとなっていて、早速、幸谷さんも見て回りました。
幸谷圭都さん
「最新の公共施設ということで、色々な方が利用すると思うので、スロープとか、身障者用のトイレとかが整備されていて使いやすくなっています」
どの世代にも、親しみを持ってもらい、日常に溶け込むデザインを…そんな幸谷さんの思いは、訪れた人にも確かに伝わっていました。
訪れた人は
「シンプルだが、見た目に優しい印象を受ける」
「堅苦しくないのでどんな人も集まって、優しさを感じるロゴ」
富谷市 若生裕俊市長
「幸谷さんならではの優しさがこもったデザイン。幸谷さん自身、富谷で生まれ、富谷で育って、本当に頑張っているのでその思いがこのロゴに表れていると思う」
幸谷圭都さん
「色々なこの交流の場としてこの施設が市の中心となっていくと思うので、それに見合ったロゴになっていくように願っていますし、だんだんと施設に見合ったものに成長していくというか、そうなっていって皆さんに愛されるものになってほしい」
幸谷さんは、医療的ケアを必要とする方を対象にした介護タクシーを運営するNPO法人の理事長も務めています。
自身の経験から、「今度は自分が、悩んでいる人の力になりたい」と話していました。