中東情勢の混乱を背景に、プラスチックや塗料などの原料となるナフサの価格が高騰しています。宮崎県日南市にある発泡スチロールを製造する企業では、ナフサや重油の高騰を理由に5月出荷分の製品から値上げを決めました。
新鮮な魚を消費者に届けるために必要な発泡スチロール容器。日南市の南郷包装では、主に水産・農業用などの発泡スチロール容器を製造していて、1日に大型トラック10台分、年間で約500トンを出荷しています。
こちらは発泡スチロールの主な原料であるビーズ。ナフサから作られるもので4月21日から仕入れ価格が3割ほど上がりました。
(南郷包装 川野純一代表)
「6月くらいまではなんとか(原料ビーズを)製造するには必要なものは確保しているとは聞いているんですけども、この事態が長期化するとまだ目途が立たないということは(仕入れ先から)伺っています」
また、発泡スチロールの製造では、重油を燃やしてボイラーを動かします。1日に3000から3500リットルの重油を使用しますが、重油の価格もこの2カ月で約1.6倍に。更にポリ袋やテープなどの包装資材も値上がりし、次の納期が決まらない状況です。
こうした中、南郷包装ではやむなく5月出荷分の製品から約30%の値上げを決めました。
(南郷包装 川野純一代表)
「この30%という幅も、これまで我々が経験したことのないような上げ幅でお願いをしています。私も40年以上、この業界にいますが、湾岸危機もありましたけど、今回のような急激に先の見えない大幅な値上げ、それと供給不安、こういった不安は本当に初めてですね。1日でも早く落ち着いてもらったらいいなと思っています」
帝国データバンクによりますと、県内にはナフサ関連の製造業が348社あり、これは全製造業の35.4パーセントを占めます。
帝国データバンクでは、「石油化学製品のサプライチェーンはすそ野が極めて広く、食品や日用品などにも間接的に広く関わっていることから、当面は多くの製造業で連鎖的な事業縮小リスクにさらされることになる」と見ています。