熊本地震からの復旧工事が続く熊本城の石垣耐震化についてです。金沢大学で行われた模型実験新たに用いられた補強方法とその効果とは?
去年11月、金沢大学で行われた石垣耐震化の模型実験。
無補強の状態では震度6弱で崩れてしまったことを28日お伝えしました。
それから2週間後の12月始め。
今度は石垣にある補強が施されどこまで揺れに耐えられるかが調べられます。
【郡司アナ&山口さん】
「山口さん前回とどういうところが違うんですか?」
「前回はこの石垣に無補強で何も入れない状態で単純に中に栗石が入っているというものを作りました。
今回はその中にネット状のものを置いて石に紐状のものをつけてこれとネットを固定して石垣全体の強度を上げるそういったことをやろうとしています」
栗石の中に補強材のネットを層状に敷き築石とつながった紐を粘着テープで貼り付けます。
石垣表面の見た目は前回と同じですが、地震の揺れに対して栗石の安定性を高め、築石の崩落を防ごうというものです。
学生とコンサルタント会社の産学共同で2日かけて石垣模型が組みあがりました。
実験当日、熊本城文化財修復検討委員会の委員や文化庁の職員もその様子を見守ります。
【学生】
「200ガル加振します。3、2、1(加振)終了です」
前回、無補強で崩れた200ガル、震度6弱相当をクリアすると…。
【学生】
「400ガル加振します。3、2、1、(加振)終了です」
【学生】
「600ガル加振します。3、2、1、(加振)終了です」
震度6強、震度7相当の揺れでも崩れません。
そして。
【山口さん】
「これは熊本地震よりも大きいレベルというか、だいぶ大きなレベルの地震になります」
【学生】
「800ガル加振します。3、2、1、(加振)終了です」
地面の揺れによって表面の築石は左右に大きく振られますがまるでプリンのようなしなやかさで形状を保持します。
また栗石の沈み込みもないため内側から築石を押し出す力も働きません。
結局、1000ガルまで加振し築石は崩落しないままこの日の実験は終了しました。
【熊本城文化財修復検討委員会 山尾 敏孝 委員長(土木工学・熊本大学名誉教授)】
「今回の補強やり方でこんなに耐震性能がアップするということがよくわかりました。これは今後石垣にも適用できるということを示唆するものだと私も思います。今後これをなんとか実際の石垣に取り入れて耐震対策ができればいい成果になると思います」
【熊本城総合事務所 復旧整備課 田崎 昌平さん】
「大地震それ以上でも崩れないということが分かったので、この模型が一つの指標となって今後はこれを現場に取り入れることによって安全な石垣が構築できるのではないかということが分かった」
後日、実験の成果が熊本城の復旧方法を話し合う委員会の場で報告されました。
委員からも好意的に受け止める意見が相次ぎました。
【千田 嘉博 委員 名古屋市立大学教授(考古学)】
「石塁型と呼んでいます石垣が堤防状に飛び出している所では正面も石垣反対側も石垣で地震の時の安全性を確保するのが非常に難しい所だとこれまでも指摘されていて、実際に熊本城でも10年前の地震で枡形と呼んでる門があった所の石垣が大変大きな被害を受けている。地震に弱いんだということだったんですが、一方で熊本城を訪ねてすごいお城だと体験体感するということではそこを通ってほしい。でもそこは危ない所だとさあどすると課題になっていたんですが今回の実験で新しい提案された補強方法だと震度7でも石垣は変形は防げないけど石が落ちてきたり崩れることを防ぐことができたとすごい大きな効果を発揮することが分かりましたのでどこにでもそれをやればいいということではないと思いますが熊本城の素晴らしさを体感していただくために必要なところには新しい考え方の補強も取り入れて」
「多くの方が熊本城を訪ねてやっぱこれはすごいなと体感していただける城跡に出来る方法が見つかったと思います」