今月、ブロッコリーが「指定野菜」に仲間入りしました。消費量の増加や安定供給の必要性を受けた措置です。買い物客やスーパー、栽培農家の間では期待が広がる一方、広島県では収穫量・出荷量ともに最下位で、栽培の難しさや高齢化など地域の課題も明らかになっています。
指定野菜に加わった背景
指定野菜とは、消費量が多い、または今後増加が見込まれる野菜を国が安定供給のために支援・対策する制度です。これまでにレタス、ジャガイモ、トマトなど14品目が指定されてきましたが、今月からブロッコリーが新たに加わりました。
ブロッコリーの1人当たり購入量は、1990年の540グラムから2022年には1619グラムへと、およそ3倍に増えています。
買い物客の声:家庭での定番に
スーパーでは多くの買い物客がブロッコリーを手に取り、かごに入れていました。
買い物客からは「安定的になるのはいい」「ひ孫が好きで茹でて置いておくとよく食べる」「彩りにもなるし、ゆでるだけで栄養価も高い」といった声が聞かれました。
30代の主婦は「お弁当などにも入っていて定番。栄養があり、すぐ食べられるからこれからも食べたい」と答えています。
販売現場と期待
フレスタ営業本部 野菜バイヤーの佐々木博弥さんは「ここ数年、フレスタで売る野菜の中で年間第1位がブロッコリーで需要は高い。指定野菜になることで生産が増え安定することが期待できるので、さらにたくさん買ってもらえるような野菜になると期待している」と話しています。
生産者の喜びと現場の事情
広島県内で栽培するイチハチファーム代表の岡田真仁さんは「需要がある野菜は作っていて嬉しいし楽しい。消費者が並べているそばから買いに来てくれるので、やりがいになっている」と語ります。「価格の安定、豊作時にも大暴落しないという点でだいぶ助かる」との見方も示しました。
一方で、岡田さんは広島での栽培の難しさを挙げます。「広島県は元々田んぼだったところが多いので、水はけが悪いと根が腐って枯れる。夏は最近ゲリラ豪雨がある。いくら排水対策をしても水につかってしまったところは大体枯れてしまう」と説明しています。
地域の課題と人手の問題
ひろしま農業協同組合の橋本孟治さんは、農業者の高齢化や温暖化による品質のばらつきが栽培面積の衰退につながったと聞いているといいます。また、他県の大きな産地から年間を通して品質の良いものが出ている点が、広島での生産が伸びない一因と考えられるといいます。
それでも岡田さんは「人手があればどんどん生産量も増やして、耕作放棄地が増えてきているところをブロッコリーで栽培し、荒れた畑を無くせたら」と、若い世代と共に産地化を目指す意欲を示しています。岡田さんは「指定野菜をきっかけに人手不足解消につなげることが理想」と語りました。
今後の見通し
指定野菜への追加は、生産・流通の安定化を図るための一手です。買い手側の需要増と販売現場、生産者の期待がある一方で、地域ごとの栽培条件や人手の確保といった課題が残ります。どのように生産基盤が整備され、地域の課題が解決されていくかが注目されます。
ブロッコリーの指定野菜入りは、消費者の人気や需要の高まりを受けた措置で、販売側や生産者には期待が広がっています。広島県のように栽培面での制約や高齢化といった課題を抱える地域もありますが、生産拡大や耕作放棄地の復活を目指す動きも出てきています。指定の追い風を機に、安定供給と地域の活性化につながっていくことが期待されます。
テレビ新広島
