不登校の小中学生が全国でおよそ35万人と過去最多を記録するなか、富山市に北陸初となる「学びの多様化学校」が誕生した。自分のペースで学べる新しいかたちの学校で、13歳の生徒が新たな一歩を踏み出した。

「This is my school」——北陸初の学びの多様化学校が開校


4月13日、富山市立・古志はるかぜ学園が開校し、転入学式が行われた。不登校など学校に通うことが難しい児童生徒を対象にした「学びの多様化学校」としては、北陸初の設置となる。
校長の只石展英氏は式でこう語った。

「古志はるかぜ学園は、『This is my school』のコンセプトのもと、自分のペースで歩む学校であることを大切にしています」

「学びの多様化学校」とは、文部科学省が指定する公立の「学校」であり、民間のフリースクールとは法的な位置づけが異なる。今月時点で全国に84校が設置されており、近年その数は増え続けている。


古志はるかぜ学園は、閉校した浜黒崎小学校の校舎と設備を活用する小中一貫校だ。通学区域は富山市全域で、1期生は36人。登校時間は午前9時半で、年間の授業時間数も通常より1割ほど減らし、ゆとりをもって学べるカリキュラムを編成している。校内には休憩できる部屋や個別学習スペースなど、安心して過ごせる環境も整備された。
「行きたい!でも、キチキチに授業してたら行けない」

1期生の一人、山下華那さん(13)は、期待と不安が入り混じる表情で転入学式の朝を迎えた。
「学校にはやっぱり行きたい!私3年勉強してないんですよ。授業出ずに。だからさすがにキチキチに授業してたらさすがに行けない」
華那さんが学校に行けなくなったのは小学3年生のころ。友人関係などの悩みがきっかけだった。それでも彼女はじっとしていなかった。同じ悩みを抱える子どもたちのために「子ども市役所」と題した居場所づくりに自ら取り組み、イベントなどを開いてきた。
「自分自身やっぱり家にいると窮屈っていうか、楽しくないって感じてたんですよね。それといろんな人を助けたい…いろんな人と関わってみたいって気持ちで(居場所を)つくろうかなって」
知事へのプレゼン、そして社会へのメッセージ
今年1月には、富山県のイベント「こどもサミット」に参加し、当事者の視点から不登校の現状や自身の活動を新田知事に直接プレゼンテーションした。
「まだまだ平日に街を歩くと、『学校は?』と聞かれることが多いです。堂々と『行っていない』『他で過ごしている』と言えたらいいのですが。また聞かれるのではないかと外に出るのが怖くなることもあります。平日に子どもたちが(街に)いても、ただあたたかく見守ってほしいと思います」
「不登校は普通ではないけど普通ですよっていう。優しく接してくださいねって(伝えたい)」
富山市内でも1084人——不登校の児童生徒数は高止まり
不登校の小中学生は、最新の調査で全国に約35万人と過去最多を更新した。富山市内でも小学生470人・中学生614人の計1084人と高止まりの状況が続いている(富山市教育委員会・2024年度)。

古志はるかぜ学園は、こうした現実に応えるかたちで生まれた。今後も学校見学や体験入学などを実施し、年度の途中でも転入学を受け入れる予定だという。
(富山テレビ放送)
