メガネユーザー待望の?マスクが登場
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、すっかり馴染んだ“Withマスク”の生活。
人の集まる場所ではマスクを着用することがマナーになりつつあるが、そんなマスクにつきものなのが、ゴム紐による耳の痛みや息苦しさなどのちょっとした悩みだろう。
編集部では以前にも耳の痛みを軽減するための手作りアイテムなど、マスク生活を快適に過ごすためのアイデアを紹介してきたが、メガネをかけている人たちにとって何よりやっかいなのが、メガネの曇り問題!
(関連記事:マスクの耳の痛みを解消できる「耳を守りマッチョ」が頼もしい…でも重くないの?作者に聞いた)
これからの季節は特に気になりそうだが、そんなイライラを解決してくれそうな、その名も「メガネをかける人のためのマスク」がクラウドファンディングに登場し、注目されている。
この記事の画像(4枚)テクノゲートウェイ株式会社が手がけるこちらのマスク、もちろん一番の特徴は「メガネが曇り
にくい」ということ。
しかし、市販のマスクでも、鼻に当たる部分にワイヤーが入っており、顔にぴったりと沿わせることができるタイプのものなど、「メガネが曇りにくい」という謳い文句は見かけたことがあるだろう。
では、一見普通の布マスクと変わりないように見えるこの「メガネをかける人のためのマスク」はどんな点が他のマスクと違うのだろうか?
クラウドファンディングサイト「Makuake」では、10月27日より目標金額30万円でスタートしたプロジェクトだったが、翌日には目標額をクリア。さらに2日後の10月30日には目標の200%を達成した。注目度の高さがうかがえるマスクについて、テクノゲートウェイ株式会社にお話を聞いてみた。
7mmのノーズフィッターが曇りを防ぐ
――ずばり、眼鏡が曇りにくくなる仕組みはどんなもの?
メガネ曇りの主な原因は、鼻の横からメガネに直接抜けていく呼気です。マスクと鼻の横の隙間から呼気が上に抜けていきメガネにあたり、メガネの温度が低い場合、結露という形でメガネが曇ります。
そのため、メガネに直接呼気があたらないように、7mmのノーズフィッターで鼻の横からの呼気をブロックしました。
一般的な対策方法は、ノーズフィッターが2mm程度と細いものを使用しています。この細さでは鼻の横の隙間をうめる形状が保持できないことが多いため、形状保持がしっかりできる7mmのものを採用しました。
「メガネをかける人のためのマスク」の特徴は、鼻にあたる部分に“極太”のワイヤーを使っているということ。
メガネが曇る理由には、他にも「呼気がマスク表面から漏出し、メガネの表面に当たる」ことや、「メガネの温度が低く、呼気に関係なく結露する」というものがあるというが、主な理由の「鼻の横からメガネに直接抜けていく呼気」に注目。
一般的な「メガネが曇りにくい」マスクよりも太いワイヤーをマスクに入れることで、ぴったりと鼻の形にマスクを沿わせることができ、口や鼻から抜けた息がマスクの隙間から流れてメガネを曇らせることがなくなるのだという。
実際に、同社の従来品と着け比べた写真では、メガネ全体が曇って視界が遮られてしまっている従来品に対して、「メガネをかける人のためのマスク」はメガネのふちまでマスクがかかっているにも関わらず、曇りがない様子が見られる。
「一年中マスク」の環境から開発がスタート
――「メガネをかける人のためのマスク」を作ったきっかけは?
前プロジェクトでは、私自身一年中、珪藻土製品製造現場で防塵マスクをつけており、さらに日常でマスクをつけることが必要な状態になったことから、長時間快適に使用できるマスクを開発しました。838人のサポーターの方から6,631,056円の多くのご支援をいただきました。「軽くて息苦しくない」「夏むれずに快適」「紐が太く耳が痛くならない」など、多くのご評価をいただきました。
その一方、ご要望や課題をいただきました。さらに、夏だけでなく秋冬も含めた通年で長時間快適に着用いただけるよう改善を重ねた製品になります。
――「メガネの曇り軽減」の他、どんな点が進化した?
肌荒れ対策:長時間マスクをするとどうしても肌が荒れやすくなります。そこで、保湿力の高い椿オイル加工を採用し保湿力20%以上アップしました。
耳の保護:マスク紐は伸縮性の高い生地やゴム紐を使用すると、長時間使用する際に、耳が擦れやすく痛くなります。そこで、まず伸縮性のあるマスク表面生地を太い紐状に加工、紐の長さをワンタッチで調整できるアジャスタを採用し、簡単に素早く長さ調整でき、長時間着用しても耳に優しく痛くなりにくい構造にしました。
実は、これらの対策は材料原価や生産工数がすごくかかっています。多くの安価なマスクがたくさん販売されている中、お客様をはじめ本当に私自身が欲しいこだわった満足度の高い製品を作りたいとの思いで製品化いたしました。
“息苦しさ問題”にも対応
クラウドファンディングのサポーターからは早くも「メガネに曇り止めを塗ろうかと思っていた…期待しています!」「冬はメガネと肌の乾燥に悩まされていたから楽しみ」という声が挙がっているこちらのマスク。
しかし、マスク問題で他にも気になるのが「息苦しさ」。
メガネが曇りにくい分、マスクが顔にぴったりとくっついた状態では呼吸が苦しいということもありそうだが…
――「メガネが曇らない」構造は息苦しさには繋がらない?
「息苦しさ」については、2つの要素があると考えています。
1つ目は排気抵抗(呼吸時の空気抵抗)をいかに下げるかです。素材の性能(速乾性)やメンテナンス性(ノーアイロン)を考えるとポリエステル100%が有望です。そこで候補を5種類の生地に絞り、全ての生地で実際に呼吸を行った上で一番呼吸しやすかったものを選定しました。このことで、顔にぴったりと沿った構造でも楽に呼吸ができるようにしました。
2つ目は、体温調節を妨げないことです。マスク内が高湿度になり、体温を気化熱という形でうまく逃すことができないことが、息苦しさにつながっていると考えます。(例えば犬は体温調節のほとんどを呼吸時の気化熱で行っています)そこで、冬でも速乾性の高い素材を使用し、呼吸気化熱の体温調節の妨げにならないようにしています。
――注目のプロジェクトとなっていますが…
今回のプロジェクトはマスク2作目です。初期モデルのお客様が少なからず再度ご支援をいただけており、リピートいただけることが開発者として大変嬉しく思います。
前回は、ご購入者様から「暑い中マスクをつけて歩いても息苦しくならず、普通に呼吸が出来るのはこのマスクだけだった」などのコメントをいただきました。
200%は達成しましたが、前作マスクを大幅に超える完成度と自負しています。
より少しでも多くの方が長時間快適にマスクを着用いただけるよう、お手元に届けたいと思います。
「メガネをかける人のためのマスク」は11月27日までのプロジェクトで、マスク本体2枚と抗菌珪藻土マスクケース1枚のセットで6864円からの割引プランなどが展開されている。
また今後は千葉県・木更津市のふるさと納税返礼品としての登録を行うほか、自社サイトでの販売が予定されているという。
マスクをつけて過ごす異例の夏が過ぎたばかりだが、これからやってくる冬につきものなちょっとしたイライラを解消してくれそうな嬉しいマスク。これからも「Withマスク」の生活を明るくしてくれる新たなアイテムが続々登場することに期待したい。