「はしか」の今年これまでの感染者数が150人を超えた。2019年に次ぐ水準となっており、感染が拡大している。
死亡に至ることもあるとされる「はしか」とは、どういう症状が出て、どう治療するのか。そして予防法はあるのか。
医学博士の山本佳奈医師に聞いた。
免疫ない人が接触すると90%超が感染
「はしか」は、正式には麻しんと呼ばれるウイルス感染症で、発熱と発疹を特徴とする。
この病気の最大の特徴は、非常に強い感染力だ。
空気中に漂うウイルスを吸い込むことで感染する「空気感染」を起こし、同じ空間にいるだけで短時間いるだけでも感染する可能性がある。
免疫のない人が接触した場合、90%以上が感染するとされており、感染症の中でも最も広がりやすいものの一つ。
39〜40℃の高熱、発疹が全身に
症状は、感染後、約10~12日(一般に7~14日)の潜伏期間を経て、まず発熱や咳、鼻水、目の充血といった風邪のような症状が現れる。
その後、39〜40℃の高熱とともに、顔から始まる発疹が全身に広がっていく。この時期が最も症状が強く、全身状態も悪くなりやすいのが特徴。
多くの場合は回復するが、肺炎や脳炎といった重い合併症を引き起こすことがある。
先進国では、およそ0.1〜0.3%で死亡に至ることもありますが、状況によって異なっている。
特に乳幼児や免疫が低下している方では重症化のリスクが高く、決して軽視できる病気ではない。
また、まれではありますが、数年後に致死的な重い神経障害(SSPE)を発症することも知られている。
治療については、麻しんウイルスに対する特異的な抗ウイルス薬はなく、解熱や水分補給などの対症療法が中心で、肺炎や脱水などの合併症に対する管理が重要だ。
そのため、治療は重症化や合併症を防ぐための全身管理が中心となります。
予防はMRワクチン2回接種
一方で、麻しんは予防が可能な感染症だ。
MRワクチンを2回接種することで、95%以上の高い予防効果が得られる。感染力が非常に強いため、流行を防ぐには社会全体で95%以上の接種率(集団免疫)を保つことが必要とされている。
麻しんは1人の感染者から多くの人に広がるため、この水準を下回ると、局所的な流行が起こりやすくなる。
接種歴が不明な場合は、母子手帳などで確認すること、必要に応じて医療機関に相談することが勧められる。
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