17日から「newsランナー」が先駆けて報じて以降、連日、大阪市内を騒がせていたシカが25日、ついに捕獲され、受け入れ先が決まるまで大阪市で一時保護することになりました。

これで一件落着!かと思いきや、改めて“シカ騒動”の背景を奈良で取材すると、奈良の鹿愛護会の男性は「自分の小さい時に比べたら、3倍ぐらい(の数)になってる」と話します。

根本的な課題が明らかになりました。

そして、奈良県知事に“単独”インタビューすることができました。

【奈良県 山下真知事】「奈良公園のシカだったとすれば、新たな事態。“シカ”るべき対策を講じて行きたい」

大阪市内にあらわれたあのシカから、奈良公園にいま起きている異変を考えます!

■連日大阪市内で目撃されたシカ 25日捕獲「非常に元気」

先週、「newsランナー」が奈良公園を起点に徹底追跡したシカの行方。

その後、大阪市内で連日、目撃されましたが、25日には大阪府警の施設内で大勢の警察官と大阪市の職員に囲まれ、ついに捕獲されました。

シカは受け入れ先が決まるまで、大阪市内の動物管理センターで一時的に保護するということです。

【大阪市 横山英幸市長】「非常に元気でピンピン飛び跳ねているとご報告いただいた。新天地においてストレスのないように、環境づくりを関係者が力を合わせて進めているところです」

■シカが奈良から出ていく問題が議題に「奈良のシカ保護管理計画検討委員会」

このシカが奈良からやってきた可能性も指摘される中、26日、奈良県は「奈良のシカ保護管理計画検討委員会」を開催。シカが奈良から出ていく問題が議題にあがりました。

【奈良のシカ保護管理計画検討委員会 村上興正委員長】「個体群の動向が今まで安定していたので、今後どうなるか、予測はあまりしていなかった。

チップを挿入したシカがいて、そのチップを見ることによって、その個体がどこから来たかが分かってくる。

そのデータを今後解析して、特に個体群の中への動きと、外への動きを解析しようと思っています」

思わぬ形で注目を集めた奈良のシカ。検討会で背景として指摘されたのは「頭数の異常な増加」です。

■シカが異常なペースで急増 原因は人間が与える食料か

今、奈良公園のシカは異常なペースで急増しているのです。

古くから人間と野生のシカの共生が図られてきた奈良公園で今、一体何が起きているのか。

取材班は25日、奈良の鹿愛護会の中西副会長とともに改めて奈良公園を取材しました。

(Q.どこにでもシカいるが、本来は違うのか?)
【奈良の鹿愛護会 中西康博副会長】「いない。ここまでは。本来、ポツン、ポツン、ポツン、ポツンぐらいなのよ。自分らの小さい時に比べたら、3倍ぐらい(の数)になってるから」

昔と比べ、かなり増えたというシカの数。その原因は人間にあると中西さんは指摘します。

【奈良の鹿愛護会 中西康博副会長】「今、残飯とかでもいっぱい出る。生ごみ問題とかもあるように、そういうのをあげに来る人とかもいるから、それをだいぶもらっていると思う。

肉付きがちょっとええ気がする。冬明けたところで、冬を乗り切ったはずなのに、何食べてんのっていう」

シカの本来の主食は、公園に生えている芝やどんぐりなど。食料が減る秋と冬は本来、痩せる傾向にあります。

しかし今は、人間が与える食料によって栄養が豊富で、自然に死んでいくシカが減少。さらに年中、繁殖できるようになり、頭数が増えているというのです。

取材中にそのことを象徴する光景にも出会いました。

【奈良の鹿愛護会 中西康博副会長】「多分生まれてそんなに(たっていない)。秋ぐらいに生まれたんちゃうかな。昔の秋生まれはもたない。冬を越せない。裏に12月生まれの子もいるけど、その子も乗り切った。要するにお母さんの乳の出もええんやけど」

人間の与えた食料などによって乱れた野生の自然なサイクル。

■「普通は食べへん」シカが人の持ち物を奪う姿も

取材中には、こんなシーンも…

側にいた人が持っていた、食べ物が入った袋をシカが奪い取ったのです。

中西さんは「はよ取ろう。はよ取ろう」と近づきますが、ビニール袋を加えたシカを見て「あかん、あかん、あかん。こうなったら離さへん」と諦めました。

【奈良の鹿愛護会 中西康博副会長】「今離した。良かった、良かった。ラッキー、ラッキー。

普通は食べへん。ビニールだけではなく、人間の食べるものを食べて、胃腸障害になって死んでしまう子もおる」

こうしてシカが増えすぎた結果、「まだ力の弱い若い雄のシカが、奈良公園の外へ出ていく例が増えている実感がある」ということです。

■奈良県知事を直撃「新たなフェーズに入った」

このような状況を奈良県はどう受け止めているのか?26日、山下知事が「newsランナー」の単独取材に応じました。

【奈良県 山下真知事】「頭数が増えたがために、どんどん外に行って餌場を求めている。こういうことが今回の問題の背景にあるのかもしれない。

(大阪市内のシカが)仮に奈良のシカだったとすれば、そこまで奈良のシカの行動半径が広がっていることについて、新たな事態」

奈良県としても、「大阪までシカが到達したとすれば新たなフェーズに入った」とする知事。

今後、どのように対応するのかを問うと…。

(Q.将来的には「奈良公園を囲う」こともある?)
【奈良県 山下真知事】「囲うということは非現実的ですので、そういったことは考えていません。科学的に分析した“逃走増加”の理由をふまえて、“シカ”るべき対応を講じていきたい。現時点で何をするということは決まっていません」

思わぬ騒動に発展した大阪市内に現れたシカ…古くから人と共生を続けて来た奈良のシカは転換点を迎えています。

(関西テレビ「newsランナー」2026年3月26日放送)

関西テレビ
関西テレビ

滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・徳島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。