宮崎県宮崎市に豚に魅了され、畜産に情熱を注ぐ、大阪出身の男性がいます。
宮崎から、ある育て方で世界へ挑戦したいという男性の思いを取材しました。
宮崎市田野町に住む、有方草太郎さん30歳。有方さんが取り組んでいるのが放牧養豚です。
(有方さん)
「大前提として豚が好き、豚肉も好きで豚に興味をもちまして」
有方さんが経営するパイオニアポークでは、2000平方メートルの農場で約20頭の豚を育てています。
(有方さん)
「放牧というやり方だとのびのびと育ててあげられると思ったので、始めたというのが一番ですね。放牧することによって土をほったり、泥浴びしたり、走ったり。結構豚って早く走るんですよ」
大阪府八尾市出身の有方さん。農業とは無縁の子ども時代でしたが、大学で畜産を学びその魅力に引き込まれました。
(有方さん)
「元々宮崎大学で畜産科に来ようと思った理由は、大草原で牛を追いかけたかった。当時調べたら、口蹄疫から復活して2回連続全国で優勝したと、宮崎ってそんなすごい県なんだと。そこから豚に変わったんですが」
有方さんはアメリカ留学中に大規模農場での養豚を経験。自分でも畜産に挑戦したいと6年前に木城町で放牧養豚を始めました。
(有方さん)
「豚は好奇心旺盛、慣れてくるとこうやってなついてくるんで。わきの下とか、首の下とかなでられるのすきなんで、すぐ服従のポーズとります。こだわりは、エサ。豚が好きな芋のほかに、大学時代の研究を生かし、栄養バランスを考えたエサを与えている。これが飼料で、とうもろこしと大豆かすと焼酎かす、サプリメントみたいなものが混ざっている。僕は芋は芋で、エサはエサで。トータルで飼料設計しているんで」
去年4月からは拠点を宮崎市田野町に移し、豚舎は、田野のシンボル「大根やぐら」を手作りしました。
(有方さん)
「豚も中でご飯食べたり寝てくれたりするんでよかったなと。(大根やぐらが)めっちゃ好きなんで、僕個人が」
現在、パイオニアポークの豚肉は「放牧和豚」と名づけられ、インターネットなどで販売されています。
また、去年12月には「放牧和豚キーマカレー」を発売、宮崎市の認定商品になるなど、少しずつ広がりをみせています。
しゃぶしゃぶでいただきます。
お肉本来の肉質を感じられる。
有方さんが移転するきっかけは、大学の同級生で、田野町で野菜や米を作っている野崎遥平さんの存在でした。
(野崎さん)
「相方が欲しかったので、絶対いいものだと信じていたので、二人じゃないとなれないものかなと思うんで」
今、有方さんは、野崎さんなど同世代のメンバーとチームをつくり、アグリツーリズムを提案、新たな農業の在り方を模索しています。
(有方さん)
「意識しているのが『みせる養豚』『見せる』と『魅せる』2つの意味がありまして。農業体験ツアーなどで、ここに野菜体験や豚と触れ合ってもらったり、知ってもらえたらと思ってます」
有方さんは新規就農で苦労しながらも続けてこられたのは、出会った人たちの温かさや人とのつながりにあるといいます。
(有方さん)
「これって宮崎だからできている部分、宮崎の良さだと思う。田野清武のモデルケースを作って、挑戦できるような仕組みを放牧養豚を通して伝えたい」
畜産や農業の未来を見据え、職業として選ばれるような仕組みを作っていきたいとしています。
(有方さん)
「世界を動かすってどういうことかなと考えたときに、ここから小さくでも何か変わっていけばいいなと思って、日々豚を育てています」